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勉強は裏切らないよね、って話を私の人生をそえて

物心ついたときから勉強が好きだった。
「知識は誰からも奪いされない」という言葉を聞いた時、納得した。
私は誰からも奪われない私だけの価値が欲しかったんだと。

小学生のとき、文房具を盗まれてノートがとれなかったし、中学生のとき、教科書をビリビリに破られ捨てられた。
それでも、彼らは私の脳内まで入って知識を奪うことはできなかった。
だから、誰も私を貶めることはできなかった。

高校生になり、信用していた男友達に裏切られ、ずっと一緒だと言った彼氏に嫌われても、私は勉強をやめなかった。
保健室で一人、授業を聞かずに過去問を解く日々は辛く厳しいものだったが、しばらくして大学の合格通知を手に入れると、過去のことなんてどうでもよくなっていた。

大学に入り全てが順調だった。
自分の興味のある分野の勉強は楽しいし、成績もついてくる。
けれど、そううまくはいかない。
友人と喧嘩したことをきっかけに体調を崩した私は入院、あれだけ好きだった看護の道を諦めることになった。
何年もかけて手にした学歴は一瞬で崩れさり、終わりはこんなにあっけないものなのかと自失した。

そんな時声をかけてくれたのが担当医で「知識は奪いされない」というようなことを言っていた。
私の知性は病気になっても変わらず私の中にあり続け、それが人となりになるのだと、力強く語ってくれた。

その言葉を胸に私は勉強を再開した。
趣味だったアロマテラピーの資格も取ったし登録販売者の資格も取った。
今は仕事の関係で衛生管理者を目指している。

死んだ時、お金も物も友人も恋人も連れて行けない。
でも脳内にある私の知識は、何があっても私と共に死んでくれるのだと安堵している。
私とずっと共にいてくれるのだと、安心している。
もうそれだけで、充分生きていける気がするのは気のせい?
いいや、きっと気のせいじゃないはず。
そう思って今日も筆をとり、この文章を書いている。

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