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思春期女子に疲れた母親のためのカルテ~反抗期を知ればこわくない


「子供といると疲れる」「子育てに自信が持てなくなった」
思春期を迎えた女の子の母親なら、一度はそう感じるのではないでしょうか。

実は、私もその一人でした。娘のためと思いあれこれ口出しばかりで、気がつけば親子の会話はすっかりなくなっていたのです。その度に顔をしかめる娘を見たくなくて、その内避けるように……。

娘のためを思ってしたことが、当の本人に伝わらず嫌がられていたことに、母親としての自信をすっかりなくし、どん底状態に。当時は、「こんな状態がずっと続くなら、親子で死ぬ未来しかないのでは」と、今考えると大げさなくらい悩んでいました。

しかし、今では親子の会話も復活し、週末に一緒に出かけるまでになりました。

難しいことも、自分を変えることも、必要ありません。ただ、子供の「今」を知り、寄り添うことで気持ちが軽くなり、自然とお互い笑顔で過ごせるようになるのです。

今現在も、思春期真っただ中の娘に悪戦苦闘しながらも、笑い合えるようになった方法についてお伝えしたいと思います。

反抗期は突然に……

我が家の娘の反抗期が本格的に始まったのは、中学生になってからでした。

大きめの制服に身を包み、まだ幼さが残る顔つきの中学校に入学したばかりの娘。母親である私は、「中学校生活は忙しく大変だろうから精一杯サポートしないと!」と、鼻息荒く意気込んでいました。

慣れない学校生活や忙しい部活動、2km以上ある自転車通学で、親も子も忙しい日々に慣れるのに必死の毎日。この頃は、私の言うことに対してやや反抗することはありましたが、悩むほどではありませんでした。

中学校生活に慣れてきた2学期になると、突然、母親である私に対しての当たりがきつくなってきたのです。

最初は、これが反抗期か⁈と、冷静に対処していました。しかし、ごはんのメニューへのダメ出しや、私の発言に対する文句、馬鹿にした言動など、ことあるごとに反発してくる娘。回数が重なると、私も次第に冷静さを失い、つい反応してしまい、お互いがヒートアップ……。

言い合いが絶えなくなり、ギスギスした家の雰囲気に疲れ、母親としての自信もすっかりなくしてしまいました。

思春期子あるある

思いつめていた私は、「中学生 反抗期」でネット記事やヤフー知恵袋を読み漁り……。すると、娘の困った行動は思春期に見られるごく普通の行動ということが分かり、目からウロコでした。

表に現れた行動に目がいきがちですが、理由を知ると、“今は子供なりに成長している時期なんだ”と、気持ちを切り替えられるように。思春期になったからといって、すぐに大人になるわけでも、別人になるわけでもありません。

思春期女子ど真ん中を爆走中の娘のことを冷静に見てみると、小さいころとなんら変わらない我が子の姿が見えてきました。

では、どんな行動に困ったのかをご紹介します。

①朝なかなか起きない

中学校に上がってから、とにかく朝が弱くなり、毎朝4~5回声かけをしないと起きてくれません。

「朝よー。6時だよー」
「今、6時15分だよー」
「6時30分になったよ。そろそろ起きたほうがいいんじゃない?」
「6時40分だよ。もう起きたほうがいいと思うよ」
「6時45分だよ。後は、自分で起きんさいよー」

徐々に起きられるよう、アラームのスヌーズのように声かけをしています。

反抗期がひどい時は、深夜の1時くらいに寝ることもあり、当然、次の日はなかなか起きられず、そのまま学校をずる休みなんてこともありました。朝の忙しい時間に、毎日何回も起こさないといけないので、“なんでパッと起きてくれないの?”と思うように……。起こしに行くことが苦痛に感じるようになりました。

②スマホが必需品

諸事情があり、小学5年生からスマホを持たせていますが、中学生になってからは、こちらの心配をよそに、家ではずっとスマホばかり。勉強もどんどんしなくなり、成績は右肩下がりになり、最後から数えたほうが早いくらいにまで下がってしまいました。

さらに、決めていたスマホの約束も中学校生活でリズムが変わり、すっかり守らなくなりました。しかし、話し合おうと思った時には、反抗期真っただ中で難しく、スマホを自由に使いたい放題。

スマホのし過ぎが心配で、「少し休んだ方がいいんじゃない?」「画面から30cm離れた方がいいよ」と、声かけをすると、すごい形相でにらんだり、部屋に引きこもったり、ひどい時には、言い合いになり家を飛び出すこともありました。

娘のためを思って言えば言うほど、嫌な顔ばかりする娘。とうとう疲れてしまい、私は娘を避けるように……。

③突然不機嫌になる

ついさっきまで普通に会話していたのに、突然不機嫌になることがある我が娘。

別人になったかのように不機嫌になるので、変化についていけませんでした。何かイヤなことを言ったのかなと思い聞いても、「別に…」

“芸能人かよ!”とツッコみたくなるくらい取り付く島もない態度に、イラつくこともありました。

④ツンデレになる

普段は、ツンツンして“自分のテリトリーに侵入するな”オーラを出しているのに、甘えてくることもよくあります。

夜遅くに、突然、「カニパン食べたい!買ってきて!」と言ったり、まだ洗濯が終わっていない服を今すぐ着たいとだだをこねたり……。しかも、甘えてくる時に限って、“今はちょっと無理。”と、思うことが多いタイミングなので参りました。

思春期女子はなぜ母親に反抗したがる⁈

思春期は、心も体も自立に向けて成長する時期です。

身体面では、第二次性徴を迎え、月経が始まったり、女性らしい体つきになったり……など、分かりやすい変化が生じてきます。
精神面では、友達、先輩後輩、クラスメイト、先生など、周囲の影響を受けながら自己を確立し、親に対して反発と依存を繰り返しながら自立していくのです。

そのため、心身共にジェットコースターのように起伏が激しく不安定になり、ストレスを感じやすかったり、不安に思うことがあったりします。また、自分と他者との違いを感じて、劣等感をおぼえたり、落ち込んだりしやすくなります。

そんな中、思春期に感じる自分ではどうにもできないイライラ・モヤモヤを、生まれた時から甘えてきた頼れる母親にぶつけることで、自分の足で立とうともがいているのです。

また、同性同士ということもあり、ファッションや生活スタイル・話し方などが目につきやすいのでしょう。自己を確立しようとしている娘にとって、「なんで今お風呂に入らないといけないの?」「なんでこの服を着たらいけないの?」と、母親とは違う価値観で、反発心が生じてきます。

母親も今まで培ってきた経験や常識があるので、娘の言動につい目くじらをたてて、反抗期がますますエスカレートしてしまうのです。

母親が思春期女子にとる良い行動3選

そんな反抗期ですが、できればお互い戦闘モードにならずに過ごしたいもの。
そんな時は、次の3点を意識してみると、親子関係が上手くいくかもしれません。

1:見守る
2:素直に愛情を伝える
3:笑顔

それぞれ一つずつ見ていきましょう。

1:見守る

見守る=信じるということです。今は、私たちがビックリするようなことをしていますが、自己を確立すべく子供はもがいています。失敗することもたくさんあります。

そんな時に、先回りして助けようとするのではなく、いつでも手助けができるよう見守ることで、子供は安心して自立のために試行錯誤することができます。

見守るといっても、四六時中見ることは、逆効果です。きっと子供は見張られていると思うでしょう。見守ることは、ずっと見ることではなく、子供のペースで物事が進められるようにさりげなくフォローすることかなと思います。

以前は子供が望んでもいないのに、一つ一つの行動にあれこれ口をはさんで煙たがられていました。実は今も口出しはしていますが、「こうしないといけない!」というような決めつけではなく、娘が自分で判断しやすいような提案にしています。

娘を信じ意見を尊重することで、逆に娘の方から相談してくれるようにもなり、親子の会話が増えました。

2:素直に愛情を伝える

思春期の子供は何気ない一言で傷つくことがあるので、なんでも素直になるのが良いわけではないですが、“あなたのことが大好きだよ。味方だよ”という気持ちは、どんな形でもいいのでいつも伝えることが大事です。

言葉で伝えることができたら簡単ですが、思春期女子との会話は、容易ではない時もありますよね。そんな時は、手紙やSNSで気持ちを伝えると、子供も落ち着いて親の思いを受け止めることができます。また、態度で示すこともとても大切!

例えば、娘のツンデレな行動の時には、“今は無理”と思うタイミングでも、できるだけ叶えてあげるようにしています。

もちろん、どうしても難しい時もあるので、そんな時は、納得できる理由を丁寧に伝えたり、どうしたらいいかを一緒に考えたりしています。会話ができるようになってからは、そんな話もできるようになり、お互いに心の余裕を感じるようにもなりました。

思春期における重要なキーワードとして、「両価性(アンビバレンツ)」(*1)という言葉があります。親に反抗したかと思えば、数分後には甘えてくる思春期特有の行動です。「結局どっちなの?」と、母親である私にとって、理解に苦しむところがありました。しかし、思春期の不安定さの中で揺れ動く娘の成長過程の表れなので、とにかく全身で愛を伝えるようにしています(笑)

子供は自分が大切な存在だと感じることで、安心して思春期を乗り越えることができますよ。

(*1)りょうかせいと読む。ひとつのものごとに対して、相反する感情を同時に持ったりすること。思春期に反抗的になりやすいのも両価的な矛盾を抱えていることが多い。

3:笑顔

笑顔は、私たちにとっての特効薬です。笑うことで、心が安定し、ポジティブになるだけでなく、人にも笑顔が伝染します。しかし、笑いだけでなく、怒りや不機嫌などの負の感情も伝わりやすいので、気をつけたいですね。

実は、いきなり不機嫌になることがあった娘につられて、私も不機嫌になることがありました。思春期に感じるストレスや不安などが原因だったと分かってからは、追い詰めないように落ち着くまで待ちました。そして、時間をおいて「あの時はどうしたん?」と、笑顔で聞くと、「なんか嫌だった」と、一言でも答えてくれるようになりました。

思えば、娘に笑顔がなかった時は、私も笑顔ではなく、娘に対して不機嫌な顔ばかりでした。私が笑顔で接することで、子供も少しずつ変化してきて、今では、親子で笑顔の日々!

思春期の子供だけでなく、親である私たちも「笑顔」を意識したいですね!

まとめ


思春期女子の娘は、現在中学1年生。おそらく、まだまだ反抗期の真っただ中。これからも、母親である私は、思い悩むことや、ストレスを感じることがあると思います。

しかし、思春期の荒波の中、娘もストレスを感じたり、不安や劣等感など、さまざまな負の感情と戦っています。

そんな時、心強い味方でいてあげられる母親でありたいと思います。なぜなら、娘のことが大好きだからです。

いつも母親をがんばる必要はありません。子供への対応に失敗することもあるでしょう。でも、親子で思春期を乗り越えることでより一層家族の絆が深まります。

「ママの笑顔は、子の笑顔。子の笑顔は、ママの笑顔。」

肩ひじ張らずに、力を抜いて一緒に乗り越えていきましょう! 

【参考】
厚生労働省 e-ヘルスネット
笑顔と笑いに関する⽂献研究
起立性調節障害とは 朝起きられないのは体の不調!?
科学辞典-両価性


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