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さくらが咲くたびにね

あの日見た桜は、何年前の桜だったっけ?
そんなことを思い出させるから、季節は残酷。

過ごしてきた時間なんて、きっとなんの言い訳にもならず、
過去のデータは無意味。
常にいまを生きているあたし達は、
昨日面白かったものに飽きて、今日であった人に心奪われて
いつだって繊細で、恐ろしく新鮮だ。
こうしている間にも身体中の血液がうごめいて、寝ている間も止まらず、
パーンと破裂するまで生き続ける。

ずっと一緒にいよう、という約束が
果たされたと感じるのは、死んでからなんだろうか。
何十年愛し合っても、最後の1日に心が離れていたら、
その約束は嘘になるんだろうか。
裏切られたと感じるのだろか。

馬鹿らしい。

あたし、あなたが死んでもあなたが好きよ。

きっとあなたも、そうでしょう。

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