見出し画像

『全米は泣かない』伝え方のプロたちに聞いた刺さる言葉のつくり方

言葉好きで、来年からIT業界で働く友達からこの本を借りた。読んで印象に残ったフレーズ、また、これから是非真似しようと思った作る過程の思考やコツをまとめていく。

キャッチコピーが上手い人はボディコピーもすごくうまい。

10分のコントができる役者は2時間の演劇もできる。
短距離が早いやつは長距離も早く走れる。

短い要素で勝負しなきゃいけない場面に強い人は、ペース配分ややるべきことの取捨選択が上手いからどんな尺でも対応できるんだと思った。

わたしは話すのも書くのも話が長くなる。
一言でいうと?ざっくりまとめると?
そんな要約の力を身に付けたい。

昔のものを知らないと何が新しいのかさえ分からない

過去にどういうものがあったかを頭に入れておけば、それと今のものをコラージュできる。(中略)自分では「すごい発見をした!」と思っても、企画を持っていくと「20年くらい前に同じものがあったよ」といわれることもあるんですよ。
(p33)

カラムーチョの制作秘話を思い出した。商品開発のときに、過去売れたお菓子と、いまの商品ラインナップを合わせて調べて、「辛さが売りの商品が売れてたのに今はない」と発見して売り出したら売れた。
モテクリエイターゆうこすも、いわばぶりっ子タレントのコラージュといえそう。ゆうこりんたちのようなぶりっ子を、モテたい人を後押しするプロデューサー、インフルエンサーとしていま大活躍してる。過去のものを知ってるからこそ新しいものを生み出せる。

制約をかけて脳みそを自由にさせる

もうどんなに考えても出てこないという時には自分に制約をかけます。「このお茶のCMを好きに考えてください」というとむずかしいけど、「このお茶はマズい」という台詞を必ず入れないといけないとか、(中略)何か制約を決めてしまうと、人の脳はその範囲内で考え始めるんですよね。
(p65)

大喜利って素晴らしい笑芸だと思うんですよ(唐突)
上の文章を読んで思ったんです。自由すぎることは大変だから枷をつけて考えると意外とアイデアが浮かんでくる。対談の中で大喜利での思考と広告の作る上での思考について話されていた。

たとえば『こんな対談はイヤだ。どんな対談?』というお題だとしたら、僕(インタビュアー)目線と谷山さん(インタビュイー)目線、それから、その周りで起こる状況で、いろいろな角度から面白いことはないかなと考えます。(p122)

僕らもコピーを考える時は、視点をどこに置くかで、試行錯誤します。いろんなところから見てみるというのは必ずやりますね。たとえば、カメラでいうと、「接写したら」「標準でみたら」「望遠レンズで見たら」「衛生カメラでみたら」というように寄りから引きまで、いろいろな視点で考えていくんです。
(p122〜123)

人物の立場を変えて考えることはあるけど、画角で考えたことなかったなぁ!もしこの立場からなら、もしこの目線からならという縛りでも脳みそは自由になる。

わたしが尊敬してる小林賢太郎も枷を使って誰も思いつかないような作品を作り出している。
身近なとこでいうと、自己紹介とか、就活のエントリーシートとかでも無理やりお題つけてしまってもいいかも。「わたしはエロいラクダです」を必ず入れないといけないとか…無茶があるか。

『「なんかいいよね」禁止。』

素晴らしいと思ったら「なんかいい」「すてき」で終わらせずに、「なぜ、いいのか」。考えることってとても大事なんです。(中略)「なぜ、こんなにいいと思うんだろう?」という視点で興味がわくというか。そういう意味で、コピーライターになるずっと前から、「つくり手の視線でモノを見る」ということの基礎は何かしらできていた気はします。
(p111〜112)

お客さんとしてサービスやものを楽しむ視線も大事。つくったものを受け取るのはお客さんだから。だけどなんかいいよね、と思った瞬間が学びの最大のチャンスなんだと思った。ホテルですごくスムーズにチェックインできた。この服を着ていたらすごく痩せてみせる。なぜかこの絵にはすごく惹かれる。そんな小さなトキメキを言葉に表していく。すると次に自分が作る時、この前見つけたトキメキルールを使えないかなぁと、武器が増える。なんかいいよね禁止ルール。慣れるまで頭がグルグルするけど、ゲーム感覚でやっていきたい。

煮詰まったらとりあえず一回うんこだす。

何もないまま悩むのが一番深みにはまるから、つまらなくてもいいから3個くらいつくってみるのが煮詰まった時に有効だという。

「つまらなくてもいいから」って思いながらも、というのが大事で、そう思いながらつくると、出来上がったものは、やっぱりつまらないじゃないですか。でも、その出来上がったものを見ると「何か足りないな」の「何か」が明快になる。漠然と「何か、ないな」というよりは「この案はこういうところがつまらないから、ここを全然違う、こういうのにしてみよう」とか。僕は最近、そうやっています。(p215)

「煮詰まったら一回うんこだす」。
なんてすてきな言葉でしょうか。
イラストやブログでも、なんかええもの作りたい、けどその"なんか"はわからない。そんなときがある。

とりあえず調べずやってみて、足らないところをピンタレストやInstagram、ブログ、などなど世の中にあるスンバラシイものたちをみて足りないものを見つけて補足していく。
煮詰まったら一回うんこだそう。

普通の人が分かることが大事

普通の人が普通のことを言うだけだと、誰も振り向かない。(中略)視点が他人と違うと言うことだと思いますね。世の中をその目線で見ているんだなという。(p238)

人には言えないことの中に以外と自分らしさがある。100人中100人があるある!ってなることでも、あるあると共感するポイントは実は違うポイントかもしれない。
そのあるある!を経験した場所、環境、日時、エピソードは100人いたら100通り。自分が普通と思ってることに、少しの変態性があると人に刺さる言葉ができる。

日記を公開すると、その自分にとっての普通が普通じゃないことだったりして面白い。自分では当たり前でつまんないよなーって話でも他人に話してみると自分らしさが見つかるかも。

まとめ

広告業界で活躍する方々の思考を覗けるなんて、なんと贅沢な本かと思った。
読んでみて、以下のことを普段でも実践しようと思った。

・一言でいうと何かを考える
・名作と言われるもの、サービスをたくさん体感する、見る。
・つくる側の視点で考える。
・世の中の普通を見つけ、自分の変態性も大事にする
・自分の日常や考えを発信してみる。

この本を読んだことがある人と話したら着目したところや、印象に残ったフレーズもまた違うものになるんだろうな。感想言い合いっこしたいです。

#広告
#言葉
#読書メモ
#読書感想文
#『全米は泣かない』伝え方のプロたちに聞いた刺さる言葉のつくり方


この記事が参加している募集

スキを押すと、2/3の確率で冬にうれしい生活雑学を披露します。のこりはあなたの存在をひたすら誉めます。