「潮騒ラジオ」(歌詩)

壊れかけのステレオ
途切れとぎれの波音
時計の針を止めて
心のドアを開けて

夏の海から生まれて消えた
幻影(まぼろし)みたい君の声

ラジオから聴こえてくる
古ぼけたあの歌は
潮騒に掻き消されて
秋風が吹き抜ける

チューニングを合わせて
そっと耳を澄まして
いつの間に陽が落ちて
月影は残されて

砂に落としたボタン一つで
恋をしていた君と僕

ノイズまで美しいよ
懐かしいあのナンバー
心まで旅をして
夢でまた逢えるから

壊れかけのステレオ
途切れとぎれの波音
時計の針を止めて
心のドアを開けて――

ラジオから聴こえてくる
古ぼけたあの歌は
潮騒に掻き消されて
秋風が吹き抜けた

ノイズまで美しいよ
懐かしいあのナンバー
心まで沁み込んで
潮騒を連れて来る

秋風が吹き抜ける