「365日の振り子」(歌詩)

麦わら帽子が飛んで行く
人影の消えた渚から
それはきっと秋風のせいさ

なんにもなかったこの町の
景色もずいぶん変わったね
それは誰のせいでもないのかな

幸せと不幸のあいだを
心の振り子が揺れる
「出会いは別れのはじまり」と
そんな言葉、真に受けてさ
自分がイヤになる

ぬくもりの中に棘がある
争いの果てに花が咲く
運命は足し算じゃないね

なんにもなかったこの僕も
こうして大人になったけど
それは誰のおかげとも知らずに

永遠と刹那のあいだに
いくつもの奇跡がある
名もない誰かの優しさを
おそれながら 求めながら
知らずに生きてゆく

365日分の微笑みの数だけ
僕らは鈍感になる
それはきっと神様のせいだよ

幸せと不幸のあいだを
心の振り子が揺れる
星屑みたいな儚さと
知っていても
季節(とき)は流れ
誰かを好きになる

365日分のサヨナラの数だけ
僕らは優しくなれる
それはきっと神様のせいだよ

それはきっと神様のせいだよ

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