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「文明の子供」【詩】

虹が
この空を焼きつくすまで
きみと地上でくすぐりあっていたい

波音に身をまかせ
大地の呼吸に耳をすまして
できることなら何億時間でも
きみとくすぐりあっていたい

若い肩と肩とが
ぶつかるたびに
生まれるのは
愛という柔らかな火花

夕日がひび割れて
いつか灰色に朽ち果てるとき
きみの笑い声を聞く
このかなしみと
うつくしい退廃の記憶の
はじけとぶような笑いを聞く
千年の眠りからさめて
ぼくらが再会する日には
きみの産声を聞く

水のように潤う瞳のなかに
まだ花園がのこっている
夕日は紅く
文明の空は
あきれるほどに青い

笑い声が
宇宙にこだまするほどに
ぼくのあらゆる感覚器官が
きみの存在をもとめている

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