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詩です。

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自作の詩、または「詩のようなもの」をあつめました。
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2022年5月の記事一覧

「HANA」【詩】

美しい花は それを期待する人のためにも あざやかに枯れてゆかねばならないから わたしは美…

桑島明大
2年前
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「大人の階段」【詩】

ひとは じぶんのうそにきづくとき 大人になります ひとは じぶんのうそをゆるすとき 大人にな…

桑島明大
2年前
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「悲しみの道程」【詩】

人生を愉快なものだと 軽々しく言うんじゃない 悲しみと苦痛にみちているのが 生きるというこ…

桑島明大
2年前
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「愛語」【詩】

 「愛」は「戦(いくさ)」の派生語ですか 争いつかれたホモ・サピエンスが ある日流した涙の名…

桑島明大
2年前
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「夜の闖入者」【詩】

ある夜 悲しみに触れた ある朝 さみしさに殺されそうになった 一晩中、 となりにいてくれたの…

桑島明大
2年前
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「空想ノート」【詩】

あのすがすがしい五月の空に 教室ごととんででゆきたいな そんなことを願ったりして ペンをは…

桑島明大
2年前
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「おくりもの」【詩】

ひとにやさしくしたいけれど やさしさについてかんがえはじめたら ぼくはなんだかじぶんじしんが ひきょうものにおもえてきました だからぼくは かんがえるのをやめました じかんをむだにすることは だれかにやさしくできないことよりも もっとよくないことにちがいないと そんなことをかんがえたからです ぼくはだれかにやさしくできないけれど そんなぼくは ひきょうものかもしれないけれど けっしてじかんをむだにしたりはしません じかんをうらぎったりはしません じかんとは どこかのしらないだ

「スローライフ」【詩】

ゆっくりまいりましょう わたしたちは 丁寧にゆきましょう この道を 小さな痛みをだいじにし…

桑島明大
2年前
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「夢(熱海の夜)」【詩】

酔いざめに 落ちてゆく星をみた 熱海の夜に 星を追いかけた きみを追いかけた どこまでも ど…

桑島明大
2年前
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「夢のような詩(ぼく自身が虹になる)」【詩】

海月のような沈黙を 抱き枕のようにして眠る 今夜の枕は 嵐のなかをつきすすむ これほどの水…

桑島明大
2年前
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「小さな夏、ぼくの秘密」【詩】

本当だよ ぼくは一度だけ 時間をとめたことがあるんだ あれはぼくがまだ小学生だったころ 学…

桑島明大
2年前
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「零れる一瞬」【詩】

未来はなにひとつ ぼくのものではない 過去もなにひとつ ぼくのものではない この一瞬だけが …

桑島明大
2年前
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「夢みる季節のおわりに」【詩】

夢みる季節のおわりですから ぼくからきみになぞなぞをだそう どこにでもありふれていて たっ…

桑島明大
2年前
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「五月の朝」【詩】

水のような五月の空から うつくしい沈黙がおりてくる 朝 ぼくの窓辺は 土の匂いでみたされる 青空を目に焼きつけて ベッドにかえってゆくぼくの 胸をかきむしる 竹箒の音 おきぬけの胸はまるでからっぽで きみのことさえもかんがえない 土の匂いと 竹箒の音が あらゆる思い出をぬりかえてしまった 季節と季節のはざまで 時間は凧のように泳ぐ ぼくの窓辺に 嵐がこようと 虹がかかろうと ぼくはきみのことさえもかんがえない 五月の朝(5:00 a.m.)