「選曲」【詩】(改・「冗談」)
ナーシングホームの
あかるく閉ざされた部屋
高い声の人たちが去り
ふいにふたりぼっちになる
なんねんぶりの ふたりぼっちか
かける言葉もなく また当然のことながら
かけられる言葉もない
世界はふいにしんとして
あなたの荒い呼吸ばかりが
小さく触れるこの耳朶に あるいは
いたたまれなく白い布団に置いたこの手のひらに
たしかに ほんとうに あなたから
受けつがれたものがながれている
水で口をゆすぐだけの人生は
たった二週間でおしまいって ……ほんとうですか?
あんなにからだのつよ