マガジンのカバー画像

詩です。

332
自作の詩、または「詩のようなもの」をあつめました。
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

「桜日和(二〇二二)」【詩】

生きているうちしか 桜の花をみられないなんて 嘘だよ 死んだら二度と会えないなんて 幻想だ…

桑島明大
2年前
16

「忘れがたきもの」【詩】

ぼくには 忘れがたき田舎の町がある 忘れがたき田園風景がある 忘れがたき校舎のかげには 忘れ…

桑島明大
2年前
12

「恋多き男」【詩】

ぼくは恋おおき男です くる日もくる日も ねてもさめても 恋ばかりしています たったひとりの人…

桑島明大
2年前
13

「春になる」【詩】

春になる ねても さめても 春に染まる 街角も 頭のなかも 春をよぶ 大地が こころが 春を…

桑島明大
2年前
12

「純真詞」【詩】

ことばの純度を高めよう ぼくがいいたいのはそれだけだ ともかくも ことばの純度を高めていこ…

桑島明大
2年前
17

「発つ君は美しい雛のように」【詩】

ぼくの窓辺から きみは突然とびたった その姿はほんとうに美しかったから ぼくは泣かないこと…

桑島明大
2年前
8

「落ちる」【詩】

草に寝て 深々とした空をにらむ 落ちてゆく…… 落ちてゆく…… あの美しい夕日が おれのへその緒を 焼きつくすまで 落ちてゆく……

「無垢 (Innocence)」【詩】

うまそうに 雪を掬んだ妹よ どうか気をつけて走れよ きみの一生ぶんの空と大地を ひっくりかえ…

桑島明大
2年前
14

「いつものようにすれ違うけれど、存在していない」【詩】

早朝の街角で ぼくらはいつものように すれ違っていたかもしれない 互いの肩がぶつかりあうこ…

桑島明大
2年前
6

「あめざいくの傘」【詩】

大嵐の日のために あめざいくの傘をつくった それはきみにとっての 透明なよろこびだ 甘美なお…

桑島明大
2年前
11

「春の夜」【詩】

希望はどこか せつない匂いのする たとえば春の はじめの夜みたいに 思い出はどこか 苦い味の…

桑島明大
2年前
7

「なにもないところから」【詩】

なにもないところから 宇宙が生まれ 言葉が生まれ なにもないところから 心が生まれ 愛が生ま…

桑島明大
2年前
10

「ひとつの詩」【詩】

わたしは信じる。 偶然、 そこにある百万の詩よりも 苦労のはてに 守り抜いた たったひとつの…

桑島明大
2年前
12

「天体」【詩】

天体望遠鏡の たったひとつのレンズの上に ありとある星が生まれては消え 消えては生まれてゆくように ぼくの目にも ありとある悲しみと喜びが 光の速度で流れてゆくのに ぼくはまた 悪びれることもなく 「きょうは楽しかった」 と言う 平気な顔で 「きょうはサイアクだった」 と言う 見えないものを恐れるなら 手をさしだしてみよう 触れるもののすべてが 優しいことなどないけど ほんのすこしだけ ぼくらは自由になれるから