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「ほめない子育て」って、分かりにくくないですか?

こんばんは、元保育士ライターのあきです。
今日は”推奨されてるけど、実は分かりにくくて伝わっていないんじゃないか”と感じる、子育て論について書いてみようと思います。

「ほめない子育て」って分かりにくいよね?

まず1つ目、「ほめない子育て」について。
これはモンテッソーリ教育で推奨されていますし、アドラー心理学でも推奨されています。
モンテッソーリ教育もアドラー心理学も、私は専門なわけではありませんが、考え方が好きで本を読んだりセミナーを受けたりしています。
保育士として子どもと向き合う時も、意識していた考え方です。

ただ、自分自身もすごく悩んだので分かるんですが、「ほめないってどういうこと?」。

「ほめない」という言葉だけ、そのまま受け取るとすると、子どもが何をしてもほめない、つまり、何も言わない、無視をする。
そんなふうに感じませんか?
「ほめない」だけで終わらせてしまうと、「ほめない」代わりに何をするのかが伝わらないので、「ほめない」し、何も言わないことが正解なのか、「ほめない」けど別の何かはするのか、全く伝わらない。

本を読んだり、セミナーを受けたりしたことで、「ほめない子育て」という言葉がどういう子育てを表現しているか、分かるようになってきました。
でも、「ほめない子育て」という言葉を聞いた(見た)人が、全員本を読むわけでも、セミナーを受けるわけでもありませんよね。
言葉を聞いた(見た)だけで終わり。
言葉から受けるイメージだけで、「なるほど、ほめなければいいのね!」って思い込んでしまうことも、十分ありえますよね。

それって、恐くないですか?

私は、想像したら背筋がぞわっと冷たくなりました・・・
子どもとの関係性がこじれる未来しか見えません。

「叱らない子育て」って分かりにくいよね?

2つ目は、同じくモンテッソーリ教育、アドラー心理学で推奨される「叱らない子育て」です。
「ほめない子育て」と同じように、言葉だけで判断した人が「なるほど、叱っちゃいけないのね!」と思い込んでしまったら、すごく恐いなと感じます。
「叱らない=放置・放任」「叱らない=子どもの言いなり」という理解をしている方を実際に知っていて、結果として子どもがどうなっているかも知っているので。

「ほめない子育て」も、「叱らない子育て」も、どちらもその言葉だけでは本質は伝わらないです。
本のタイトルで全てを説明するなんて無理なので、短い言葉で表現しなければいけないのも分かるんですが、タイトルだけ見て中身を判断してしまう人もいるので難しいですね。

「ほめない子育て」を自分が言い換えるとしたら

日本語は、受け取る側によって言葉の意味が微妙に変わってしまいます。
だからこそ、誰にでも同じように伝わる表現はある意味不可能なんですよね。
それでも、自分が「ほめない子育て」を表現するとしたらどう言うだろうか、考えてみました。

「おだてない子育て」、でしょうか。

モンテッソーリ教育やアドラー心理学でいう「ほめない子育て」は、簡単に言うと「すごいね!」「えらいね!」と安易に言わない、ということなんですね。
「すごいね!」「えらいね!」を子どもに連発する人が何をしたいんだろう?と考えて、出てきたのが「おだてる」という表現でした。

もちろん、みんながみんな、子どもをおだてるために言っているわけではないと思います。
でも、実際保育士ですら、子どもをおだてるために「すごいね!」「えらいね!」って言っていたりするんですよね。
その方が子どもが動いてくれるから。
それに加えて、恐らく、自分自身がそうやっておだてられて育てられてきたんでしょうね。
人は自分の経験・体験から学ぶので、子どもに対する態度は自分自身が子どものころに大人がしていた態度の模倣だったりします。
だから、「すごいね!」「えらいね!と子どもをおだてるために言う人は、自分が子どものころも、同じように言われていた可能性が高いんです。
それが良いか悪いかは別として。

もちろん、純粋に、子どもの行動に感心して「すごいね!」「えらいね!」って言葉が出てくることもあります。
その気持ちが悪いわけではないんですよ。
そうではなくて、「すごいね!」「えらいね!」という言葉以外で表現しましょうね、ということなんですが、「ほめない子育て」という言葉でそこまで伝わらない。
だから難しいなと思います。

「叱らない子育て」を自分が言い換えるとしたら

同じように、「叱らない子育て」を自分なりの表現で言い換えるとしたら、どんな言葉になるか考えてみました。

「諭す子育て」、ですね。

言葉って本当に難しいなと思うのが、「叱る」「怒る」「諭す」の違いをどう説明するかという。
言葉の意味を説明するだけでは足りないと思うんですね。
恐らく、自分の経験・体験にイメージが左右されるので、ただ意味だけを伝えても実際どうするのかまで伝わらない。
状況によって、どうするのが「叱る」で、どうするのが「怒る」で、どうするのが「諭す」なのか、パターン別に例を挙げていって、やっとなんとなく伝わるくらいじゃないでしょうか。

「諭す子育て」という言い換えも、あくまで私の経験・体験と語彙がベースになっているので、しっくりくる方もいれば、全然分からないという方もいると思います。
いろいろな方が言い換えたのを見たり聞いたりしていくと、「あ、なるほど!」という表現に出会える気がします。

言葉だけでは伝わりにくいことを、分かりやすく伝えていくのが保育士の仕事

実際の子どもの姿や、その姿に対してどう返すか。
実際のやりとりを元に説明すると、かなり分かりやすいんじゃないかと思います。
お父さんお母さんは、ご自分の子どもが初めての子育てでしょうから、分からない・理解しにくいことが多いのが当たり前です。
経験・体験が多いプロだからこそ、少しでも分かりやすい・理解しやすい形で伝えていくのが、保育士の仕事なんだろうなと。

思ってはいたんですが、実現するのは難しい・・・

第一に、説明できるだけの時間がない。
新型コロナウイルスの感染予防対策として、保護者と直接話せる時間がものすごく短くなりました。
接する時間が短くなれば、日々の連絡事項だけで精一杯。
お父さんお母さんも基本的に忙しいですしね。

こうやってnoteに書いたり、Twitterでツイートしたりすることで、少しでも誰かの目に止まったらいいなと思っています。

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