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【AW learn】クッキーのない生活はマーケティングを進化させるか(プレゼン篇)

皆さん、こんにちは。AWLearnライブへようこそ。私はルース・モーティマーです。アドバタイジング・ウィークのグローバル・エデュケーション担当のマネージング・ディレクターです。今週は、cookieについてのセッションをお届けします。Googleは、2022年までにChromeブラウザのサードパーティーcookieの廃止を発表しました。cookieのない世界が目前に迫っている中、ブランドはどの様にしてカスタマー・インテリジェンスのすべての要素をまとめることができるのでしょうか? 幸いなことに、その答えを見つけるための専門家がここにいます。Acxiom社、The Trade Desk社、Forrester社にお越し頂き、この重要な問題について議論して頂きたいと思います。最初に、Acxiom社のCEOであるChad Engelgau氏にお話を伺います。彼が短いプレゼンテーションを行い、情報を整理してくれます。Chadは、私が知っていることよりもデータについてよく知っています。クッキーを食べることについては知らないかもしれませんが、それ以外の殆どのこと、特にデータについては。ですので、私はこのテーマについて素早く高度な知識を得ることができると期待しています。そして、彼が他の2人の専門家を紹介してくれます。そして、私が司会をして皆さんと会話していきます。それでは、スピーカーにたくさんの質問を送ってください。画面右側にチャットがありますので、そこに書き込んでください。また、ウェビナーを通じてお互いにチャットをしたり、興味のあることを話したりすることもできます。私たちは、皆さんが知りたいことを知りたいと思います。私の質問が終わったら、すぐに皆さんの質問へ移ります。だから、恥ずかしがらないでください。また、幾つかの投票で皆さんの意見をお聞きする予定です。楽しみにしていてください。それではまず、私は退席してチャドに交代します。彼が簡単なプレゼンをしてくれますので、その後、私が戻ってきます。

ルース、ありがとうございました。改めて歓迎いたします。ジョー、ミッシェルも、このプレゼンテーションの後、簡単に紹介します。皆さん、ようこそ。今日のセッションに参加してくださってありがとうございます。今回は、デジタル広告のエコシステムにおける「Cookieのない生活」と、それによって実現される「人間らしいマーケティング」についてお話しします。この議論の前提として、私たちはデジタルエコシステムの中で優れたターゲット広告を配信するために、サードパーティCookieに依存しています。私たちは、ターゲティングと(効果)測定両方の目的で、cookieを使用しています。しかし、課題がないわけではありません。そこで今日は、世界で何が起こっているのか、どうやってここまで来たのか、その背景について少しお話します。そして、潜在的な解決策や、プログラマティック広告やアドレッサブル広告のデジタル配信において、サードパーティcookieがもはや王様ではない世界に対応するために、企業が現在使用し続けている技術や、強化を検討している技術など、重要なトピックを幾つか取り上げます。それでは、次のスライドをお願いします。

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さて、私たちはどの様にして今日まで来たのでしょうか?cookieが発明されたのは1995年のことです。根本的に考えてみると、もしサードパーティーcookieがGoogleの計画通り2022年までに完全に廃止されるとしたら、AppleとSafariブラウザ、そして関連するモバイル広告IDとその認証(複数のcookieを1つのデバイスに正規化する基本的な基礎技術でもある)にはすでに深刻な影響を与えており、これらの影響はアドテクのエコシステム全体に波及、自信を持って人々にアプローチする能力や、広告費の効果やコンバージョンをどの様に促進するかという点でデジタルを効果的に測定する能力に影響を与えます。デジタル広告のエコシステムにおけるサードパーティーcookieの台頭により、私たちが個人として経験するネガティブな側面は、最近の調査や研究では、3~4年前のものであっても、人々は1日に平均5,000の広告を見ているということです。業界として、また人々として、私たちが対処しなければならない基本的な問題は「1日5,000の広告は多すぎるだろうか?」ということだと思います。もしそうだとしたら、「サードパーティーcookieの減少は、1日に目にする広告の量を減らすに役立つのか?」 実際には、「より高価な広告在庫を作ることになるのか?」 そして、「その広告在庫は、現在のcookieベースの広告在庫よりパフォーマンスが良くなるのか?」 そして、「マーケティングは、私たちが一日を過ごす中で、人として、より適切なものになるのか(覚えられるという妄想ではなく)?」
 つまり、目の前に置かれた印象や、同じ広告を何度も目にする煩わしさなど、広告主はどうしても人々への広告露出をもっとうまくコントロールできないのだろうかと思ってしまう。15年前のテクノロジーと、ソーシャルネットワーク、サーチネットワーク、アドレッサブルメディア在庫、アドレッサブルアウトオブホーム、デジタルアウトオブホームの台頭を比較すると、この流れの中で何が起こったのでしょうか? 特にここ数年は、プラットフォーム間でのデータ漏洩の可能性や、消費者情報の絶え間ない伝達、広告露出の多さなどの問題に取り組んでいます。世界中の政府がこの問題を積極的に解決しようとしています。

ここでは、欧州における一般データ保護規則(General Data Protection Regulation)を取り上げ、人々のデータをどの様に収集するか、どの様に同意を集めるか、どの様に透明性を確保し、通知し、個人に選択権を与えるかを管理しています。GDPRは、EU全体で単一のルールを標準化し、成文化し、マーケティングがサポートされたユースケースであり、素晴らしい仕事をしたと言えるでしょう。米国では、カリフォルニアデータプライバシー保護法(CCPA)の台頭により、違いや課題が生じていると思います。今後は、CPRAやその他の法律が50州で制定される予定。米国では、一貫した基準がありません。そのため、企業のコストと影響は非常に大きくなります。また、未知数の部分が多いです。GDPRのように境界線が定義されていないと、技術的な問題解決が難しくなります。2021年にはCOVIDの様な活動が行われ、世界はよりデジタル化され、より速いペースで変化していきます。そのため、今日のライブ・ラーニング・イベントには全員が夜通し参加している訳です。バーチャルでやっています。
しかし、これからの2年間は、さまざまな変化が起こる可能性があります。そこで、Forrester社のジョー・スタンホープ氏に、彼の調査から得られたインサイトを語って頂きたいと思います。そして勿論、広告、メディア配信、データのための世界最大級のプラットフォームであるThe Trade Desk社のミシェル・ハルストが、何が起きているのかについてのインサイトを語ってくれます。
それでは、あと数枚のスライドで文脈を整理し、質問を投げかけてみましょう。今日の対話を始めるにあたり、考えて頂きたい統計データをいくつかお渡しします。では、次のスライドをどうぞ。

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マーケターとしては、世界中に積極的に広告を出し、文字通り何十億ものインプレッションを毎日配信、モバイル、ソーシャル、ディスプレイ、デジタルアウトオブホーム、ビデオ(今ではビデオテレビですね、Advanced TVかもです)など、あらゆるチャネルで人々にサービスを提供できます ~ もちろん、メールでもダイレクトメールでも、驚異的なリーチと完全に測定可能な精度の高いキャンペーンを行うことができます。しかし、このようなテクノロジーの進歩にも関わらず、マーケターの70%は、マーケティングと広告におけるオーディエンスデータの最適な利用をサポートする能力に自信がないと評価しています。
エコシステムが分断され、根本的にデータが失われていることが、マーケターの課題の原因になっていると考えます。興味深いことに、マーケティング予算のかなりの部分(43%)はインサイト、分析、キャンペーンの実行に費やされています。しかし、マーケターは、クローズドループやデジタルエコシステムの効果を十分に発揮することができないと話しているのです。また、広告費の大部分は、コンバージョンに直接結びついていないのが現状です。また、マルチタッチアトリビューションを行おうとしても、世帯レベルはもちろん、個人レベルでの集計には直接的な理解や影響がないため、各インタラクションに、アトリビューションを分散させるモデルに基づいて構築されていることが多いです。
ダイレクトマーケティングでできるようなことは本当に起こったのか?この様に、私たちはテクノロジーを駆使、15年近くこの仕事を続けていますが、それでもマーケターとしての課題に直面しています。この点についてもう少し説明しましょう。次のスライドをご覧ください。

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そうは言っても、人として、ですよね? マーケティングを提供している人と同時に、私たちは他の会社からのマーケティングを受けています。そして人として、私たちは興味深い課題に直面しています。より多くのデータが公開され、データ流出やデータの漏洩についての理解が深まるにつれ、私たちは興味深い課題に直面する様になりました。その中には、信用情報や、行動や活動、更にはソーシャルメディアへの投稿など、センシティブな情報も含まれています。しかし、私たちがブランドと具体的にやりとりするとき、私たちはリアルタイムでのやりとりを期待しています。私たちは、ポケットにスマホを持っています。私たちは、ウェブ上で24時間いつでも相手と連絡を取ることができます。コールセンターは24時間365日体制で営業しています。私たちのブランドに対する期待値は非常に高く、64%の人がすぐに反応してくれること、時間をかけて対話してくれることを期待しています。私たちがウェブサイトに残したシグナルや情報が、ブランドのシステムを経由して、モバイルアプリケーションやコールセンターで利用できるようになる可能性があることを、ブランドは理解しています。
同時に、個人に関するデータがどれほど多く存在するかという認識が高まり、データの漏洩や、個人データが同意なしに公開されるという問題も発生しています。55%の人が、ブランドがデータをどの様に利用しているか、どの様に追跡されているか、そして勿論、どの様に相手にアプローチしているかを心配しています。これが、「プライバシー・パラドックス」と呼ばれる現象を引き起こしています。人々にアンケートを取り、「データの管理方法について、好みやより高い規制を設けるべきか?」と尋ねてみましょう。私たちのイニシアチブでの回答は、もちろん「勿論」でした。
とはいえ、私たちは毎日のように無料でサービスを利用しています。殆どの人は、サービスを受ける代わりに自分のデータや情報を交換していることを理解しています。そして、私たちは今でもそれを感じています。勿論、若い世代でも、最近ニュースで話題になったTikTokを例にした調査を読みました。特に、Z世代やそれより若い世代は、中国が自分たちの情報をすべて持っていることに関心がないというのです。例えば、彼らがイギリスやアメリカにいて、自分の情報を提供しているとしましょう。彼らは、無料サービスを利用するために自分のデータを提供していること、そしてそのサービスが自分にもたらす価値を知っています。彼らの認識では、それは公正な取引です。ですから、このプライバシーパラドックスは、社会として、また企業として、規制の中で取り組んでいかなければなりません。

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ここからは、私たちマーケターにとって業界で起きている他の事柄について説明します。アドレッシング可能な広告費も、もちろんアドレッシング不可能な広告費も、大部分はいまだにメディア・エージェンシーを経由しています。広告代理店は、クリエイティブ、ジャーニーマップ、効果的なメディアバイイング、使用量に応じた価格設定など、これら分野で非常に多くの価値を生み出すことができます。とはいえ、69%以上のブランドが、プログラマティック・メディアやアドレッサブル・メディアのバイイングを、部分的または完全にインハウスに移行しているというトレンドがあります。具体的には、そのプロセスにおけるデータとデータ管理をコントロール、よりよく所有するためです。そうすることで、ペイドメディアキャンペーンから得られるインサイトは、代理店やメディアバイイング会社との関係にかかわらず、自社の知的財産であり、自社のインサイトとして維持することができるのです。マーケターとして、私たちはより多くを必要としています。効率的でありたいと思っています。そして、私たちは、(プロセス)処理のオーナーシップを高めようとしています。私たちが持っているインフラは、サードパーティcookieに依存しており、モバイル広告IDや広告エコシステムなど、すべてが私たちの手に負えないものです。もちろん、大規模な持株会社、広告テクノロジー・プラットフォーム、勿論大規模なパブリッシャーの間で管理され、相互運用されています。この様に、私たちは興味深い難問に直面しており、今日はそれを解き明かして議論したいと思います。では、次のスライドをご覧ください。

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この様に、マーケターとしての私たちには様々な事が起きていますが、ダイナミックな会話をしたいと思います。なぜなら、結局のところ、デジタルによる破壊と変化の世界においても、人は人であることに変わりないからです。次のスライドを見て頂ければ分かると思いますが、私たちは個人としてブランドに報いることができます。

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私たちが働いている企業は、私たちの経験を育んでくれるからです。私たちは、そのブランドの約束を信じています。そしてそれは、私たちが手にする製品やサービスに現れます。さらには、文化的な活動や私たちの周りで起こっていることに対する企業のスタンスも、ますます信じられるようになっています。このように、マーケターとしての活動は決して容易ではありません。私たちは、顧客や見込み客とどの様に接するか、そしてそれをテクノロジーの観点からどの様に行うかを、より総合的に検討しなければなりません。それでは、スライドをご覧ください。

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ミッシェル・ハルストをご紹介しましょう。彼女はThe Trade Desk社のグローバルデータ&ストラテジー担当エグゼクティブ・バイスプレジデントです。そして勿論、ジョー・スタンホープは、Forrester社の副社長兼主席アナリストで、マーケティングテクノロジーを専門としており、私がこれまでに会ったID分野の中で最も賢い人物のひとりです。そして私自身です。繰り返しになりますが、Axciom社の最高経営責任者であるChad Engelgauです。そして、今日私たちと話をしてくれて、対話や議論の調整を手伝ってくれる、Advertising Weekのルースを歓迎したいと思います。

>> チャット篇に続きます。

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