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夏季オリンピックでは、メキシコ大会以降日本の金メダル数が2ケタに達した大会では、開催期間中の日経平均株価はすべて上昇。この傾向が2024パリ大会でも継続することを期待。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年6月14日)―

日本はパリ・オリンピックの団体球技・全7競技に出場。自国開催を除けば、1932年ロサンゼルス大会以来、92年ぶりの快挙。

 パリ・オリンピック(2024パリ大会)出場権をかけ北九州市西日本総合展示場で開催されている「ネーションズリーグ2024福岡大会」で、バレーボール女子日本代表が日本中の注目を集めています。6月12日に韓国を3-0のストレートで破りましたが、勝てば6大会連続のオリンピック出場が確定した6月13日のカナダ戦は残念ながらフルセットの激闘の末に落としました。
 
 女子バレーボールの2024パリ大会の出場枠は福岡大会前に開催国フランスを含む12で7枠が決定済み。残り5枠はネーションズリーグ予選リーグ終了時点(6月17日)の世界ランキングで決まることになっています。このあと日本が、セルビア(15日)、米国(16日)と対戦した結果、男子とともに2024パリ大会出場を決めてほしい状況です。
 
 日本は2024パリ大会で行われる団体球技・全7競技で出場権を獲得しています。自国開催を除けば、1932年ロサンゼルス大会以来、92年ぶりの快挙です。ロサンゼルス大会では、水球とホッケーの2競技が実施されました。日本はどちらも男子が参加しました。
 
 2024パリ大会ではバスケットボール、7人制ラグビー、サッカーの3競技は男子・女子が揃って参加します。バレーボールが4競技目になることを期待します。ハンドボールは男子、水球も男子だけ、ホッケーは女子だけの参加となります。
 
 なお、同じメダルが期待される競技でも、各階級が1日で終わる柔道などの競技に比べ、何日にもわたり予選リーグを戦って準決勝、決勝までいく団体球技の方が、日本代表が勝ち進むにつれ、テレビの前で応援する視聴者の思い入れは大きくなっていくと思われます。

5月『景気ウォッチャー調査』でオリンピック関連先行き判断のコメント数は、自国開催だった21年152名に対し、今年は10名にとどまる。

  自国開催だった2020東京大会開催前の、21年5月調査での『景気ウォッチャー調査』での「オリンピック」関連先行き判断DIは49.3と4月の46.4から上昇しましたが、景気分岐点の50に僅かに届きませんでした。新型コロナウイルス感染拡大をコントロールし開催されることになった東京オリンピックに対する人々の考え方が分かれていたことを示唆する数字でした。コメントした景気ウォッチャーは5月調査で152人、4月調査の90人から大きく増加し、20年1月の152人以来の最多タイになったのでした。
 
  2024パリ大会前の、最新24年5月調査では「オリンピック」関連先行き判断DIは55.0と4月の58.3から僅かに鈍化したものの、景気分岐点の50を上回っています。しかし、コメントした景気ウォッチャーは5月調査で僅かに10人、4月調査の3人からは増加したものの、自国開催だった21年当時と比べると、5月時点でのパリ・オリンピックへの関心は低い状況です。直前の盛り上がりに期待したいところです。

2020東京大会ランキング10位までの国の金メダル数と当時の世界経済に占める名目GDPのシェアの相関係数は0.864。

  2016年のリオ・オリンピックで日本は金メダルを12個獲得し、ランキングは第6位。ランキング10位までの国の金メダル数と当時の世界経済に占める名目GDPのシェアの相関係数は0.868と高い数字になりました。選手育成などにお金をかけられる国が強いともいえるし、金メダルを獲るとその国の人々が元気になって、景気が良くなるともいえ、相乗効果が生み出されたようです。
 
  この傾向は、2021年に開催された2020東京大会では、日本は金メダルを27個獲得し、ランキングは第3位。ランキング10位までの国の金メダル数と当時の世界経済に占める名目GDPのシェアの相関係数は0.864と高い数字になりました。

  また、2020東京大会での金、銀、銅すべての総メダル獲得数をみると、日本は58個のメダルを獲得、ランキングは第5位。ランキング10位までの国の金メダル数と当時の世界経済に占める名目GDPのシェアの相関係数は0.871とこちらも、高い数字になりました。
 
  なお、インドの世界経済に占める名目GDPのシェアは21年では3.1%でしたが、昨年23年には3.6%に上昇しました。インドの2020東京大会での総メダル獲得数は7個(うち金メダル1個)でした。2024パリ大会で総メダル獲得数が増加するかが注目されます。

オリンピックの関連銘柄として注目されるのは、スポーツグッズのメーカー、活躍した選手の愛用グッズを製作する企業、オフィシャルスポンサー企業など。

  オリンピックが近づくと、株式市場ではオリンピックの関連銘柄が取りざたされることが良くあります。スポーツ用品メーカーのミズノ、スポーツシューズメーカのアシックス、バドミントンやテニス用品のヨネックス、スポーツウエアメーカーのデサント、などのスポーツグッズのメーカーの株価がまず注目されます。また、オフィシャルスポンサーとしてパリ・オリンピック・日本代表選手団「TEAM  JAPAN」に製品や開発メニューを提供し、選手のトータルコンディショニングをサポートしている味の素も注目銘柄でしょう。
 
  活躍した選手の愛用グッズも注目され、それを作っている企業の株価も注目されます。
 
  また、ワールドワイドオリンピックパートナーのブリジストン、パナソニッック、トヨタ自動車などもオリンピック関連銘柄として注目されるでしょう。

(出所)olympics.com HPより

メキシコ大会以降日本の金メダル数が2ケタに達した夏季オリンピックでは、日経平均株価は大会期間中にすべて上昇。

  日経平均株価と日本金メダル数との関係もみられます。日本の金メダル数が2ケタに達した大会は、東京(1964年)、メキシコ(1968年)、ミュンヘン(1972年)、ロサンゼルス(1984年)、アテネ(2004年)、リオ(2016年)、東京(2021年)の7大会です。このうち、建設投資の反動でオリンピック開催月の10月が景気の山となった1964年の東京大会を除き、日本の金メダル獲得数が2ケタに達した6大会では、日経平均株価は大会期間中にすべて上昇しました。
 
  ちなみにモントリオール大会(1976年)以降、10個に到達しなかった大会は、日経平均株価は1大会を除いてすべて下落しました。唯一の例外は2012年のロンドン大会。金メダルは7個と少なかったのですが、銀・銅を含めたメダル数が38と当時の史上最多となりマインドに大きくプラスに働いたと考えられます。
 
  2024パリ大会でも日本の選手が活躍し金メダルを10個以上獲得し、人々に元気を与え、マインド効果から日経平均株価が上昇することを期待しているところです。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。