宅森昭吉(景気探検家・エコノミスト)

三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。 さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さく…

宅森昭吉(景気探検家・エコノミスト)

三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。 さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。 23年4月からフリー。景気探検家として活動。 現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。

最近の記事

9月「景気ウォッチャー調査」では、米の価格上昇、秋物商材の不振など高い気温や豪雨などで現状判断DIは4カ月ぶりに低下。しかし、現状水準判断DIは4カ月連続改善と景気の基調の底堅さ示唆。「ボーナス」関連先行き判断DIは70.8。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年10月9日)―

9月の現状判断DI(季節調整値)は47.8、前月より1.2ポイント低下。秋物衣料の売れ行き不振の、衣料品専門店の悪さが目立つ、業種別・現状判断DI(原数値)。  9月「景気ウォッチャー調査」では、現状判断DI(季節調整値)が47.8となり、前月より1.2ポイント低下ですが、2カ月前の7月の47.5は上回りました。  米の価格上昇、秋物商材の不振など高い気温や、豪雨などの天候要因が影響したようです。9月の「米不足」関連DIをつくると、現状判断は39.6と、新米が出回り米不足

    • 9月貿易統計・通関収支差は3カ月連続の赤字に。9月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は8月から上昇率が0.5ポイント程度低下の見込み。―日本の主要経済指標予測(2024年10月8日)―

      9月貿易統計・通関収支差は▲2,400億円程度と3カ月連続の赤字か。輸出の前年同月比は10カ月連続・前年同月比増加を予測。(10月17日発表)  9月27日に発表された8月貿易統計確報によると、輸出金額は8兆4,3354億円、前年同月比+5.5%で9カ月連続の増加、輸入金額は9兆1,367億円、前年同月比+2.3%で5カ月連続の増加となりました。輸出と輸入の差引額は▲7,032億円と2カ月連続の赤字になりました。前年8月に比べ赤字幅は▲25.2%縮小しました。    前年同

      • 9月国内企業物価指数・前年同月比は8月から上昇率が若干高まるか。8月機械受注(除船電民需)前月比は2カ月連続減少だが、3カ月移動平均は4カ月ぶり増加を予測―日本の主要経済指標予測(2024年10月3日)―

        9月国内企業物価指数・前年同月比は、先行指標の日経商品指数42種など上昇要因が、「酷暑乗り切り緊急支援」などの低下要因を上回ると予測。(10月10日発表)  8月の国内企業物価指数・前年同月比は+2.5%になりました。42カ月連続前年同月比プラスでした。前年同月比+3.0%だった7月から0.5ポイント上昇率が鈍化しました。   原油価格の下落により、石油・石炭製品の前年同月比は、8月は▲4.0%と7月の+0.4%の上昇から下落に転じました。また、中国経済の減速を背景に、銅

        • 「総選挙、解散日から投票日まで日経平均株価は上昇する」を1990年以降のデータで4ケースを検証する。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年10月1日)―

          「解散日の直前の営業日終値から、投票日の直前の営業日終値まで」のケースで、90年以降、11回すべてで日経平均株価は上昇。  臨時国会が10月1日に召集され、自民党の石破茂総裁が、衆参両院の本会議で第102代首相に指名されました。自民党の石破茂総裁は前日の9月30日、党4役とともに記者会見に臨み、4役のあいさつに先立ち、石破氏は、「内閣総理大臣に選出されれば、直ちに組閣を行い、政権を発足させたい。新政権はできる限り早期に、国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件

        9月「景気ウォッチャー調査」では、米の価格上昇、秋物商材の不振など高い気温や豪雨などで現状判断DIは4カ月ぶりに低下。しかし、現状水準判断DIは4カ月連続改善と景気の基調の底堅さ示唆。「ボーナス」関連先行き判断DIは70.8。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年10月9日)―

        • 9月貿易統計・通関収支差は3カ月連続の赤字に。9月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は8月から上昇率が0.5ポイント程度低下の見込み。―日本の主要経済指標予測(2024年10月8日)―

        • 9月国内企業物価指数・前年同月比は8月から上昇率が若干高まるか。8月機械受注(除船電民需)前月比は2カ月連続減少だが、3カ月移動平均は4カ月ぶり増加を予測―日本の主要経済指標予測(2024年10月3日)―

        • 「総選挙、解散日から投票日まで日経平均株価は上昇する」を1990年以降のデータで4ケースを検証する。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年10月1日)―

          8月景気動向指数・一致CIは2カ月ぶり前月差下降。基調判断は「下げ止まり」継続か。8月家計調査・実質消費支出・前年同月比は2カ月ぶりの減少か。―日本の主要経済指標予測(2024年10月1日)―

          8月景気動向指数・速報値・先行CIとも一致CIは、ともに2カ月ぶり前月差下降を予測。(10月7日発表)  8月速報値の一致CIは前月差▲3.5程度の下降と予測します。前月差下降は2カ月ぶりです。    一致系列で、速報値からデータが利用可能な8系列では、商業販売額指数・小売業の1系列が前月差寄与度プラスになり、生産指数、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、投資財出荷指数、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率、輸出数量指数の7系列が前月差寄与度マイナスになると予測します

          8月景気動向指数・一致CIは2カ月ぶり前月差下降。基調判断は「下げ止まり」継続か。8月家計調査・実質消費支出・前年同月比は2カ月ぶりの減少か。―日本の主要経済指標予測(2024年10月1日)―

          「酷暑乗り切り緊急支援」で消費者物価指数前年比を▲0.51%押し下げ。9月上旬の入着原油価格・前年比は8月までの2ケタ上昇から+0.5%に鈍化。暮らし向き判断DIと物価上昇判断DIの相関係数は▲0.75。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月27日)―

          総務省公表の9月「東京都区部消費者物価指数・中旬速報値」で、全国に先立ち「酷暑乗り切り緊急支援」の影響などを分析。  消費者物価の動向を早期に把握できる便利な統計が、総務省が公表している「東京都区部消費者物価指数・中旬速報値」です。「全国消費者物価指数」に先立ち1カ月弱早く、先行指標として東京都区部(中旬時点)のみの結果を速報として公表するものです。9月分が9月27日に発表されました。    9月の東京都区部消費者物価指数・総合・前年同月比は8月の+2.6%から+2.2%に

          「酷暑乗り切り緊急支援」で消費者物価指数前年比を▲0.51%押し下げ。9月上旬の入着原油価格・前年比は8月までの2ケタ上昇から+0.5%に鈍化。暮らし向き判断DIと物価上昇判断DIの相関係数は▲0.75。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月27日)―

          大谷翔平選手メジャー史上初の「50-50」達成。大谷選手がホームラン打った日の日経平均株価・上昇割合は。関脇・大の里2度目の優勝、最速での大関昇進確実。大相撲秋場所の懸賞本数は2,455本と史上最多に。身近なデータは景気回復示唆。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月23日)―

          9月19日(日本時間20日)に大谷翔平選手メジャー史上初の「50-50」からの「51-51」を達成。大谷選手がホームラン打った日の日経平均株価上昇割合 (株価変動比率調整済み)は6割超。  9月19日(日本時間20日)にマイアミのローンデポ・パークでおこなわれたドジャース対マーリンズの試合は20-4で、ドジャースが勝利しました。大谷翔平選手は「1番・DH」で先発出場しホームラン3打席連発を含む6打数6安打10打点2盗塁の大暴れで、メジャー史上初の「50-50」からの「51-

          大谷翔平選手メジャー史上初の「50-50」達成。大谷選手がホームラン打った日の日経平均株価・上昇割合は。関脇・大の里2度目の優勝、最速での大関昇進確実。大相撲秋場所の懸賞本数は2,455本と史上最多に。身近なデータは景気回復示唆。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月23日)―

          8月の自殺者数・暫定値は前年同月比▲18.8%と大幅マイナス、10カ月連続で前年同月比減少。8月完全失業率は7月の2.7%から2.6%程度へ低下を予測。8月有効求人倍率は7月から横這いを予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年9月19日)―

          8月新設住宅着工戸数の前年同月比は、4カ月連続の減少か。(9月30日発表)  8月30日に発表された7月の新設住宅着工戸数は、前年同月比▲0.2%の6万8,014戸と、微減でしたが3カ月連続で減少となりました。新設住宅着工戸数・年率換算は77.3万戸で、前月比+1.0%と3カ月ぶりの増加になりました。  持ち家は前年同月比▲4.0%で32カ月連続の減少、貸家は前年同月比+4.6%と3カ月ぶりの増加になりました。分譲住宅は前年同月比▲4.8%と3カ月連続の減少になりました。

          8月の自殺者数・暫定値は前年同月比▲18.8%と大幅マイナス、10カ月連続で前年同月比減少。8月完全失業率は7月の2.7%から2.6%程度へ低下を予測。8月有効求人倍率は7月から横這いを予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年9月19日)―

          8月鉱工業生産指数は前月比+0.2%程度と僅かに上昇、2カ月連続上昇か。8月商業販売額・小売業の前年同月比は7月から伸び率鈍化を予測。―日本の主要経済指標予測(2024年9月18日)―

          8月鉱工業生産指数の関連指標はまちまち、経済産業省の予測指数補正値、景気ウォッチャー調査、内閣府輸出数量指数、ロイター短観は前月比低下を示唆するが、製造工業生産予測指数、日銀実質輸出、QUICK短観などは前月比上昇を示唆。(9月30日発表)  8月30日に発表された7月の鉱工業生産指数・速報値は、15業種中、業種別にみると、電気・情報通信機械工業、生産用機械工業、電子部品・デバイス工業など14業種が上昇し、石油・石炭製品工業1業種が低下しました。全体として前月比+2.8%と

          8月鉱工業生産指数は前月比+0.2%程度と僅かに上昇、2カ月連続上昇か。8月商業販売額・小売業の前年同月比は7月から伸び率鈍化を予測。―日本の主要経済指標予測(2024年9月18日)―

          24年7月から9月前半の日経平均株価動向とその背景を振り返る―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月14日)―

          ドル円レートとNYダウで8割が説明できる、今年の7月から9月前半の日経平均株価動向。  最近は、株価や為替の大幅な変動を伝えるニュースが流れることが多く、人々の景況感に影響を与える機会が、多くなっているように思われます。2024年7月1日~9月13日の日経平均株価(終値)のドル円レートとNYダウ(前営業日終値)による回帰式をつくると、以下のようになりました。   日経平均株価(終値)=▲71,744.1+334.3977×ドル円レート            (▲7.05) 

          24年7月から9月前半の日経平均株価動向とその背景を振り返る―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月14日)―

          日銀短観・9月調査・大企業・業況判断DIは、製造業は横ばい、非製造業は2期連続悪化と予測。設備投資計画は6月から改善か(類似データの法人企業景気予測調査でも改善)―日本の主要経済指標予測(2024年9月12日)―

          10月1日発表の日銀短観9月調査、大企業・製造業・業況判断DI+13程度と、6月調査+13と同水準。大企業・非製造業・業況判断DI+28程度と、6月調査+33から鈍化か。  日銀短観9月調査では、大企業・製造業の業況判断DIは+13程度と6月調査+13から横這いになると予測しました。トヨタ自動車の型式認証不正問題により、自動車はもたつくとみました。    また、大企業・非製造業の業況判断DIは+28程度と、こちらは6月調査の+33から5ポイント程度低下し、2期連続悪化すると

          日銀短観・9月調査・大企業・業況判断DIは、製造業は横ばい、非製造業は2期連続悪化と予測。設備投資計画は6月から改善か(類似データの法人企業景気予測調査でも改善)―日本の主要経済指標予測(2024年9月12日)―

          8月「景気ウォッチャー調査」では、宮崎県の地震や南海トラフ地震臨時情報の発表、猛暑や台風の上陸など、自然現象が景況感に影響。先行き判断DIは5カ月ぶり景気判断の分岐点50超。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月10日)―

          8月の現状判断DIは49.0で前月より1.5ポイント上昇。3カ月連続の改善。内閣府の基調判断は2023年5月以来の上方修正。  8月「景気ウォッチャー調査」では、現状判断DI(季節調整値)が49.0となり、前月より1.5ポイント上昇しました。現状水準判断DI(季節調整値)は47.8となり、前月より1.2ポイント上昇しました。どちらも3カ月連続の改善ですが、6カ月連続で景気判断の分岐点の50.0を下回っています。一方、先行き判断DI(季節調整値)は50.3となり、前月より2.

          8月「景気ウォッチャー調査」では、宮崎県の地震や南海トラフ地震臨時情報の発表、猛暑や台風の上陸など、自然現象が景況感に影響。先行き判断DIは5カ月ぶり景気判断の分岐点50超。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月10日)―

          8月貿易統計・通関収支差は2カ月連続の赤字に。8月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は7月から上昇率が0.2ポイント程度拡大の見込み。―日本の主要経済指標予測(2024年9月9日)―

          8月貿易統計・通関収支差は▲1兆6,900億円程度と2カ月連続の赤字か。輸出の前年同月比は9カ月連続・前年同月比増加を予測。(9月18日発表)  8月29日に発表された7月貿易統計確報によると、輸出金額は9兆6,127億円、前年同月比+10.2%で8カ月連続の増加、輸入金額は10兆2,414億円、前年同月比+16.6%で4カ月連続の増加となりました。輸出と輸入の差引額は▲6,287億円と2カ月ぶりに赤字になりました。前年7月に比べ赤字幅は+925.2%拡大しました。    

          8月貿易統計・通関収支差は2カ月連続の赤字に。8月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は7月から上昇率が0.2ポイント程度拡大の見込み。―日本の主要経済指標予測(2024年9月9日)―

          8月国内企業物価指数・前年同月比、6月の+3.0%から上昇率鈍化し再び+2%台か。7月機械受注(除船電民需)前月比は2カ月ぶりの減少を予測―日本の主要経済指標予測(2024年9月3日)―

          8月国内企業物価指数は先行指標の日経商品指数42種の動向などから、前年同月比は鈍化に転じると予測。(9月12日発表)  7月の国内企業物価指数・前年同月比は+3.0%になりました。41カ月連続前年同月比プラスでした。前年同月比+2.9%だった6月から0.1ポイント上昇率が高まりました。   電力・都市ガス・水道は、政府の電気・都市ガス価格激変緩和策が終了したことで、前年比+6.7で6月の0.0%(+0.1%から下方修正)を上回り、13ヵ月ぶりのプラスに転じました。   

          8月国内企業物価指数・前年同月比、6月の+3.0%から上昇率鈍化し再び+2%台か。7月機械受注(除船電民需)前月比は2カ月ぶりの減少を予測―日本の主要経済指標予測(2024年9月3日)―

          4~6月期実質GDP第2次速報値・前期比年率+3.1%と第1次速報値とほぼ変わらずと予測。法人企業統計を受けた設備投資の下方修正と、公共投資の上方修正が相殺するかたちか。―日本経済の主要経済指標予測(2024年9月2日)―

          4~6月期法人企業統計・設備投資(除くソフトウェア)前年同期比+9.1%と、1~3月期の+6.8%から2.3ポイント改善、季節調整済み前期比+1.9%の増加。  4~6月期の法人企業統計調査の全産業(金融業・保険業を除くベース)の設備投資(ソフトウェア投資額を除くベース)の前年同期比は+9.1%と、1~3月期の前年同期比+6.8%から2.3ポイント改善し、13四半期連続の増加になりました。1~3月期で前年同期比+9.8%の増加だった製造業は、4~6月期では同+2.7%へと7

          4~6月期実質GDP第2次速報値・前期比年率+3.1%と第1次速報値とほぼ変わらずと予測。法人企業統計を受けた設備投資の下方修正と、公共投資の上方修正が相殺するかたちか。―日本経済の主要経済指標予測(2024年9月2日)―

          7~9月期・米国実質GDPは前期比年率+2%台半ばか。予測の参考にできる8月30日公表の3つのデータ。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月2日)―

          GDP発表の翌営業日発表の月次実質個人消費の7月データからみて、7~9月の実質個人消費は前期比年率+3%台程度か。  国内で創り出された付加価値の総額であるGDPの統計は、日本では4~6月期であれば、8月中旬に第1次速報値が、9月上旬に第2次速報値が発表されます。一方、米国では4~6月期であれば、7月末に速報値が、8月末に改定値が、9月末に確報値が発表されます。米国では、同一・四半期のデータが、3度にわたり改定されながら発表されるかたちです。    GDPは一次統計を使って

          7~9月期・米国実質GDPは前期比年率+2%台半ばか。予測の参考にできる8月30日公表の3つのデータ。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年9月2日)―