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8月鉱工業生産指数は前月比+0.2%程度と僅かに上昇、2カ月連続上昇か。8月商業販売額・小売業の前年同月比は7月から伸び率鈍化を予測。―日本の主要経済指標予測(2024年9月18日)―

8月鉱工業生産指数の関連指標はまちまち、経済産業省の予測指数補正値、景気ウォッチャー調査、内閣府輸出数量指数、ロイター短観は前月比低下を示唆するが、製造工業生産予測指数、日銀実質輸出、QUICK短観などは前月比上昇を示唆。(9月30日発表)

 8月30日に発表された7月の鉱工業生産指数・速報値は、15業種中、業種別にみると、電気・情報通信機械工業、生産用機械工業、電子部品・デバイス工業など14業種が上昇し、石油・石炭製品工業1業種が低下しました。全体として前月比+2.8%と2カ月ぶりに上昇しました。
 
 経済産業省の基調判断は23年7月~12月は「生産は一進一退で推移している」で6カ月連続同じ判断でしたが、24年1月の基調判断については、「一進一退ながら弱含み」に引き下げられ、2月~6月も同じ判断で据え置きでした。しかし、7月では「一進一退で推移している」に上方修正されました。
 
 9月13日に発表された鉱業生産指数・7月確報値では前月比+3.1%と速報値の同+2.9%から0.3ポイント伸び率が高まり、上方修正されました。生産の上方修正は、医薬品、スピリッツなどによるものです。新たに加わった食料品・たばこ工業は前月比上昇になりました。全16業種中、電気・情報通信機械工業など15業種が上昇し、石油・石炭製品工業1業種が低下しました。
 
 9月30日に発表される8月の鉱工業生産指数(速報値)前月比は+0.2%程度と2カ月連続の上昇になると予測しました。8月の前年同月比は▲1.5%程度と2カ月ぶりの低下になると予測しました。
 
 鉱工業生産指数・7月速報値段階で発表された製造工業生産予測指数の8月は前月比+2.2%の上昇の見込みです。過去のパターン等で製造工業生産予測指数を修正した経済産業省の機械的な補正値でみると、8月の前月比は先行き試算値最頻値で▲0.9%の低下の見込みです。90%の確率に収まる範囲は▲2.3%~+0.6%になっています。
 
 製造工業生産予測指数で輸送機械工業の8月前月比は▲ 0.7%の見通しです。8月はトヨタ自動車が型式不正認証問題で「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」「ヤリクロス」の3車種の生産を停止していました。一方、生産用機械工業の8月前月比は+7.0%の見通し、電子部品・デバイス工業の8月前月比は+5.7%の見通しです。
 
 8月の財務省貿易統計で輸出金額の季節調整済み前月比は▲3.9%の減少になりました。8月の日銀・輸出物価指数の前月比▲5.1%と輸出金額を上回る減少率になりました。なお、輸出の前年同月比は+5.6%で9カ月連続増加、増加寄与度が大きかった品目は、第1位が半導体等製造装置、第2位が半導体等電子部品でした。また、8月の日銀の実質輸出の前月比は+1.3%の増加になりました。一方、 8月の内閣府輸出数量指数は前月比▲2.7%の減少になりました。
 
 景気ウォッチャー調査・製造業・現状水準判断DI(季節調整値)は、24年1月46.7、2月48.8、3月47.3、4月46.7、5月43.0、6月42.6、7月45.4、8月43.2と、8月は7月から2.2ポイント低下しました。
 
 ロイター短観(400社ベース)の製造業・業況判断DIは、7月の+11から8月は+10と1ポイント低下しました。なお、8月28日~9月6日の調査期間の9月は+4に低下しています。一方、QUICK短観の製造業・業況判断DIは、7月の+20から8月は+23に3ポイント上昇しました。なお、8月27日~9月5日の調査期間の9月は+21に低下しています。
 
 このような関連データを、総合的に判断し予測しました。

※2024年8月は筆者予測値


8月商業販売額・小売業の前年同月比は+1.1%程度と7月+2.7%から伸び率が鈍化すると予測。(9月30日発表)

 8月30日に発表された商業販売額・小売業・7月速報値の前年同月比は+2.6%と6月確報値の+3.8%から1.2ポイント増加率が低下しました。9月17日に発表された7月確報値では、商業販売額・小売業の前年同月比は+2.7%に速報値から0.1ポイント上方修正されました。
 
 9月30日に発表される8月速報値の商業販売額・小売業の前年同月比は+1.1%程度と7月確報値の+2.7%から増加率は鈍化するものの、30カ月連続増加になると予測します。
 
 自動車小売業の8月前年同月比は7月の+5.2%から悪化するとみました。新車新規登録届出台数(乗用車)の8月前年同月比は▲3.2%で、7月の+5.5%の増加から減少に転じているからです。
 
 8月の大手百貨店4社の売上高・前年同月比の単純平均は+10.5%で7月の+10.9%から0.4ポイント鈍化していることを参考にして、各種商品小売業・8月前年同月比は7月の+1.1%から増加率が鈍化するとみました。
 
 また、燃料小売業の8月の前年同月比は7月の+1.5%から伸び率が低下するとみました。レギュラーガソリン価格の前年比をみると、8月は▲0.5%程度と7月の+0.8%程度から上昇から下落に転じています。
 
 一方、景気ウォッチャー調査で7月から8月への小売関連の現状水準判断DI(季節調整値)の動きをみると、45.2から46.1へと0.9ポイント上昇しています。これらの関連データの動きを総合的に判断し予測しました。

※2024年8月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。