どう読むか
「ソーシャル時代のハイブリット読書術」を読みました。著者は、EVERNOTE術やスマホ活用術など様々なITの視点から、効率的な仕事実践本を書いています。
紙がいいのか、電子書籍がいいのか。
読みっぱなしなのはいけないのはわかってる。じゃあどうアウトプットするか。
これらは自分の中で未だ「これ!」という答えはありません。
本書は、そんなソーシャルメディアの活用に長けている著者が本の読み方について説いています。「考え方」からスーッと実践例に移る様は、教養本のお手本であるかのように読みやすかったです。
これいい!と思った考え方×読み方があります。それはマッキンゼー社が提示した「T(ティー)型人間」という概念に一本足した。「I(アイ)型人間」を目指すという考え方です。
まず、T型人間について以下のように説明しています。
Tの縦棒は深い専門性を示し、縦棒はそれ以外の分野の知識を示しています。1つの専門性以外に、多様な分野の知識を持っている人間、それがT型の人間です。これはいわゆる「専門バカ」になるのを避けよ、という教えでもあります。
本書では「専門バカ」であることが悪いことのように書かれていますが、人同士がつながりやすい現代では、決して悪いことではないと思います。
しかし、即応力や協調生が求められる「教師」という職業においては「専門バカ」では危ないなと感じます。
専門性が強く求められる「教師」もいつ「専門バカ」になってもおかしくない危険性を持っている気がしました。何が足りないんだろうと気になりました。
その危険性を防ぐ、つまり専門バカではない「自軸」を上手く作るための考え方として、以下のように述べています。
専門性を深く伸ばした縦棒と、様々な分野に関する知識、および、リベラルアーツ(教養)を示す2つの横棒。この3つの線を合わせて生まれるものが自軸です。(中略)1つの線に固執するではなく、バランスよく3つの線を伸ばしていく。それが「自軸」を育てることの意味です。
なるほど。シンプルでいい考え方!使えそう!
と思った後、頭で自分なりに変換しました。
「必要なのは広くて浅い知識、狭くて深い知識、それと人間性ね。」
…なんだか言い換えてみると、ここまでは正直、今までの経験や感覚でわかってたことだなーと思いました。
そこから著書はこの考え方と読書法をつなげていました。
自軸を育てて行くためには、読書の目的や本の性質に合わせて、複数の読み方を使い分けて行くことが必要です。
僕はこの一文を読むためにこの本を手に取ったのかもしれません。ものすごく安心しました。
今まで、本の読み方が確立しない自分に苛立ちを覚えることがありましたが、この考え方×読み方であれば自分の今までの読み方は正当化されるからです。
人になるため
友だちのため
彼女のため
研究のため
ゼミ運営のため
自信をもって教壇に立つため
すでに自分の本を読む目的が多岐に渡っていることを思い出しました。
そしてその方法も、今自分が納得しているものでいいんだと自信をもつことができました。
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