はい。お任せください。
中田敦彦著『僕たちはどう伝えるか』を読みました。ここには、伝える力でのし上がってきた武勇伝あっちゃんの「プレゼンのマインドセット」が連ねられていました。
この本は驚くほどに文字が少ない。でもなぜか引き込まれます。
それは何度も成功と挫折を味わった筆者の「自分のエッセンスを使って欲しい」という思いが込められていたからだと思います。
その中でも「あ、やっぱりこの考え方で良かったんだ!」「いやでも確かにできてないなー」と、自分のいまの生き方と答え合わせするような感覚になった箇所があります。
皆さんは人に物事を頼まれたときどのように返事をするでしょうか。
著者はジブリ映画の広告企画を頼まれ、プロデューサーの鈴木敏夫に「よろしく頼むよ」と言われた際、こう返事したそうです。
頑張ります
頼まれごとをされたら私もこう言うと思います。
皆さんも大事な企画や仕事ほど、「努力する」という意思表示としてこのように言うかと思います。
しかし、プロデューサーの鈴木さんは目の色を変えこう言ったそうです。
頑張らなくていいから。才能出して
本人はかなり衝撃を受けたそうです。そして読んでいた私も衝撃を受けました。
なぜかというと、いま所属しているゼミのアドバイザー(以下、せんせい)もほぼ同じことをゼミ生に言っているからです。
「頑張らなくていいから。結果出して」
さらに、私はアカペラでも同じような経験をしていました。
学部2年生の頃、憧れの先輩達と組んだバンド。各々練習をして来て「さあ音合わせ」という時。
中々、音が合いませんでした。その原因は僕の実力不足だったことが今でははっきりとわかります。
その時、私は言ってしまいました。
「すみません。頑張っては来たんですけど…」
その時は先輩方は優しくフォローしてくれました。しかし、先輩は本当に優しいんだと思います、飲み会で語り合うタイムに入るとこの言葉をくれました。
『「頑張った」って言われても俺たちはどうしようもないんだよ』
今でも覚えています。悔しさ、情けなさ、感謝。いろんな感情が生まれて涙を堪えるために「ありがとうございます」と言って、手に持っていたビールを飲み干しました。
頑張って褒められるのは、子どもだけ。大人になって、「頑張りました。でもダメでした。」では、褒められない。ということです。
そして、著者は以下のような言葉でまとめています。
問われているのは、成功確率ではない。成功へともに向かおうとする運命共同体としての覚悟なのだ。
なるほどー。ゼミでいうと論文や著書を書き上げることが成功だとすると、私とせんせいは運命共同体ということです。
アカペラでいうと、先輩方はライブを成功させるための運命共同体でした。
著者は、今だったらこのように返事をすると決めています。
はい。お任せください。
この自信を伝えることで相手との信頼関係が生まれ、自らのパフォーマンスも上がると述べています。
私のゼミとアカペラでの経験が、この本でより強化されました。
今は私は新しい研究構想に向け、走っています。その研究発表でも、
「最高の研究構想が出来上がりました。ご覧ください。」
と言えるようなクオリティに持っていきたいと思います。
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