ぼくんちの隣人はゴミ屋敷のおじいさん

うちの隣はゴミ屋敷です。

ゴミ屋敷っていうと、家の中に足の踏場がないくらいゴミだらけというイメージすると思いますが、その比じゃありません。外まで溢れかえっています。だから、初めて目の前を通る人は驚くはずです。こんなところに人が住んでるんだって。

なんでも、廃棄物を売って生計を立てているそうで、鉄くずや家電がいっぱいです。冷蔵庫やら鉄パイプやらダンボールやら山のように積み上げられていて、もし崩れたら、雪崩れでうちの壁くらいは余裕でぶち破られそうです。

しばしば、ダンボールや空き缶などをもらいにやってくるので、生活のためだろうからと気にせずあげていました。

今日もスプレー缶のガスを外で抜いていたら、おじいさんがやってきたので、それをあげました。

なんとなく、どんな風に暮らしているのか気になっていたので、ちょっと話しました。普段から簡単な挨拶程度はしてましたけどね。

おじいさんは70才で、見た目は結構みすぼらしい格好だから、最初こそ近寄りがたいけど、いつもニコニコしていて浅黒く日焼けした人です。

いつもは簡単な挨拶だけだったので気がつかなかったですが、話してみるとお話好きの気の優しいおじいさんでした。

奥さんには先立たれたようで、一人で寂しいのか、私みたいな若造でも嬉しそうに色々話してくれます。

おじいさんのお話し

今日はいつもおじいさんの軽トラの荷台に積んであるダンボールの話をしてくれました。

昔はダンボールは1キロ11円だったのに、最近は経済的な影響で、1キロ6円くらになったらしいです。キロ11円でもめちゃ安いように思います。そんなで生活できるのかなぁ。しかも、今は値段が下がった影響でダンボールを回収するためのガソリン代の方が高く赤字だそうです。

それなら、ダンボールの回収なんて辞めたらいいのにと思いました。特に色んな事業所と契約して回収に行っている訳ではないみたいだし、、。

でも、待っている人がいるから、回収に行かないダメみたいです。

確かにオフィスでたくさん出るダンボールを回収してもらえないと大変ですよね。おじいさんの仕事もしっかりと社会のエコサイクルの中に組み込まれているんだと感じました。ダンボールの価値や回収する人のことなんて考えたこともなかったので、なんとなく面白いもんだなーと思って聞き入ってしまいました。

あと、興味深かったことがダンボールの行方についてです。

家庭であれば資源ごみでダンボールを出しますよね。どこかの事業所で働いている人であれば、結構な量のダンボールがゴミとして出ると思います。

それをゴミ捨て場に捨てておけば、ゴミ収集屋さんやおじいさんのような方が取りにきていました。

その後のダンボールはどこにいくのでしょう。

おじいさんの話から、ダンボールがお金になるのはわかります。ということは誰かが買っているということですよね。

一度、開梱したダンボールはだいたい、どこか破れていたりしてボロボロだと思います。そんなものを誰が買いたいと思うのか。

それは海を超えて中国へ渡っていました。

わたしは全然知らなかったのですが、今ダンボールのほとんどが一度使われたダンボールをリサイクルして再利用しているそうです。これら、一度使われたダンボールを古紙と呼びます。

中国は経済成長しているのでダンボールを山ほど必要としています。しかし、国内だけでは足りていないから、海外からも古紙を輸入しているというわけです。

ところが先ほど、古紙のレートが下がったという話しがありました。原因は中国当局の経済政策や中国の経済状態に非常に左右されるからです。

現在、中国は環境政策を急速に進めています。海外から輸入する古紙を含めた廃材は国内の環境汚染を加速さえているという批判が高まり、輸入を規制しているため、古紙のレートに影響がでているそうです。

普段はまったく、意識せずゴミにだしていたダンボールですが、まさか中国で再利用されていたなんて、とても驚きです。

おじいさんは他にも鉄くずなどもお金になると言っていました。そうやって、他の人にはゴミの塊にしか見えない物も、おじいさんにとっては宝の山だそうです。

ゴミ屋敷のおじいさんは意外にも経済情勢にも詳しい商人でした。

隣人としてはゴミ山はちょっとって感じですが、おじいさんと話して初めて知ったゴミのことに、けっこう勉強させられました。

以上です!



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