今月の1冊~2022.06

2022年、6月。
梅雨だけど、梅雨じゃなかった。逆にこれを書いている7月の方が梅雨みたいです。こう湿度が高い感じは決して好きではないけれど、アジサイも綺麗だし、日も長いし、夜とか丁度良い気温になったりして、確実に夏に向かっているこの時期はなんとなく嬉しかったりもします。

読む本は数あれ、ぐっとくる1冊にはそんなに簡単に出会えない。
そんな中でも毎月1冊もしあれば2冊、自分のなかでこれは・・と思ったものの感想を書いていこうと思います。
本の要約ではないと思うので気になる方は是非ご自身で読んでください!

今月は、
ショートケーキ。
坂木司 

ショートケーキ、大好きです。日本にしかないこのケーキ、なんだかとても愛おしいです。真っ白いクリームの上に赤いイチゴが並んだ感じがなんともキュート。基本的には甘ったるいですが、イチゴの酸味が時々あらわれてなんとなくさっぱりするシーンもあったり。ケーキの重厚感とかわいらしさとで、やっぱり日本ではケーキの代名詞的な存在なのではないでしょうか。
そんなショートケーキをとりまくストーリーが色々な人とともに出てきます。大人になってもうそんなに好きじゃなくても、ずっと好きなことになっていて、外食すると必ず頼まれちゃう微妙な関係性とか、誕生日に食べることの多いホールケーキが親子二人だと食べるチャンスがないから、そんな境遇のお友達同士で食べようという企画が立ちあがったり。
ささやかな日常にショートケーキが淡い彩りを加えて素敵なストーリーが紡がれています。

ショートケーキってケーキの代名詞というのもあるのかもしれないですが、私にとってはやっぱりちょっと特別な存在です。何ケーキが好き?ときかれたら迷わずショートケーキと言いそうな気がします。でも、毎回ショートケーキを頼むか?と言われるとそれはまた違うきもしていて。なにかちょっと特別なこととか、なにかがあったときに食べたいものなのだろうと思います。あくまでも私にとってですが。贅沢とかとはちょっとちがう、なにか惹きつけてやまない存在が、ショートケーキです。ちょっとずつ大切な思い出をあの白いクリームに織り込んでいるのかもしれないなと思います。

何気ない大切な日々の代表のショートケーキ。大舞台というよりもかわいらしい日々をさらにかわいらしくしてくれる存在。目の前がワントーン明るくなる存在。
世の中には、必要不可欠といわれるものってあって、ショートケーキも実はそうなんじゃないかなと思います。もちろん毎日必要なものというわけではないですが、年に数回訪れるちょっとしたシーンにはあるといいなと。そしてないとなんかさみしい、、、といった感じで前向きに生きていくためにはなくてはならないなと感じています。
そう考えていくと、どこかでわたしもショートケーキのような存在になっていれたらいいなとおもいました。そんな人生もわるくない。きっと。


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