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参考書ルート モデルケースA

こんにちは。
予備校講師の大北あきやです。


今回から始まる新企画です。

万人にあてはまるような大学受験の数学の参考書ルートは存在しないと思ってあえて提示していないのですが、それでも要望が多い気がするのでこういうタイプの人だったらこういう数学参考書ルートというのを提示してみたいと思います。ルートの一部だったりすることもあります。失敗例も含めて載せているのでこれを真似してほしいというわけではなく参考にしていただければという趣旨です。

基本的には過去の経験に基づいていますが、フィクションです。
実際には参考書だけで授業を進めることはほぼなく、使うとしても僕のテキストやプリントとの併用です。それを留意した上で読み進めていただけると幸いです。


個別指導で僕が大学受験に向けて数学のみ生徒を見ているという設定です。ここでの僕はそんなに優秀な講師ではなく、ごくごく普通の個別のプロ講師程度の認識で書いています。



A君の場合


A君は東大合格者数トップの中高一貫K高校に通う生徒だ。東大の理Ⅱ志望。もともとの地頭はかなり良く、算数はサピックスでも最上位クラスの成績をおさめていた。ただ、中学入学と同時にポケモンにはまってしまい、勉強を全くしなくなってしまったようだ。ポケモンは奥の深いゲームで厳選と呼ばれるテクニックには莫大な時間を要するらしい。学校の友人とLINEグループでポケモンの戦略について熱心に議論しているようだが、勉強に関しては熱心さはゼロだ。

彼とは彼が中学3年のときに出会った。その時点で学校の成績は最下位とまではいかないものの下の中~下の上くらいだった。中学生ということもあり、まずは学校に追いつくのを念頭に置いた。

K高校はとても進度が早く一度ついていけなくなると大変だ。中学3年の時点で、既に数学ⅠAを終えようとしていた。学校の授業はプリントで行われているが、青チャートをベースにしたものだった。そこでまずは、こちらも青チャートをベースに学校の予習復習をサポートする形にした。



中3~青チャート~

A君はやはり頭が良いだけあって、理解力は問題なかった。こちらの説明することをどんどん吸収してくれる。とは言え、やる気はこの時点では全くない。高校数学はどうしても覚えなくてはいけない解法も多く、復習や勉強量の確保は必須だ。その週教えてるぶんには良いのだが、翌週になると完全に忘れていることも多い。

青チャートの問題点はやはり量が莫大なことだ。いくら頭の良い生徒でもかなりの時間を割かなくてはものにできない。トップレベルの高校でも半分以下の生徒だと定着までには至っていないことがほとんどだ。

とりあえず、重要な問題を強調しながら、全問題を扱うスタンスにした。学校がそのスタンスだからだ。

苦労はしたものの、半年もあれば、学校の定期テストで平均点~プラス10点は超えるようになり、授業にもそれなりについていけるようになった。学校のレベルが高いのでとりあえずは及第点だ。

一方で問題もあり、結局勉強するのは定期テストの直前だけなので、テストが終わるとほぼ全て抜けてしまうのだ。この現象は彼に限ったことではなく、多くの中高生に多く見られる。ちょっとやれば思い出す程度なら良いがビックリするくらい忘れてしまっている。




高1~文系の数学 重要事項完全習得編~

とりあえず学校では青チャートに合わせて勉強しているのだが、そろそろ入試を意識した勉強をしなくてはいけない。定期テストだけのその場しのぎの勉強を続けるわけにもいかなかった。そこで薄くて周回できるものとしてこれを選んだ。以前にも紹介しているので参考にしてほしい。

レベルの高い学校だからもっと難しいものと思われがちだが、とりあえずは簡単なものの定着が最優先だ。相変わらずA君はそれほどやる気があるわけではないが、薄い本ということもあり、周回もできた。学校の実力テストでは平均前後。河合塾の模試では偏差値60前後だった。学校の勉強と併用しながら進めていて、勉強量も少なかったことを踏まえるとそれなりの結果だ。



高2~文系の数学実戦力 向上編~

次のものとして、続編のシリーズを選んだ。解説がかなり詳しく進めやすいと思ったからだ。だが、頭の良いA君でも思いのほか苦戦していた。やる気の問題もあると思うのだが、思うように進まない。前の本では楽しく進めていたのだが、難しいせいか上がりかけたモチベーションもすっかり下がってしまった。それでもなんとか1周を終えた時点で良いときは学校の実力テストも上位1/3に入っていたように思う。ただ、どうしてもモチベーションが上がらないようで、いったんこの選択肢はやめることにした。

文系の数学の赤から青へのルートは意外と難易度が上がりがちなので注意。



高2~1対1対応の演習~

学校でもやってる生徒が多いようで、これを試すことにした。高校生くらいだとまわりがやっているものをやらないと不安という意識もあったりして、そこを汲み取る必要もある。

有名な本で解説も一見詳しい。ただ、難しい記述も多く、不親切なところはとことん不親切でわかった気になりやすい本なので注意が必要だ。トップレベルの生徒でもそれはある。

とりあえず例題だけを周回することにした。演習題と対応しているのが良いところだが、演習題は入試問題で結構難しいものも多い。いきなり演習題もやろうとするとかなり重くなるのでとりあえず例題だけを周回するのを薦めることが多い。

A君はとりあえずこなせたがこれは知っている話題も多かったというのが大きいかもしれない。ある程度難しいものになってくると全く知らない話題ばかりだと苦戦することが多い。



高2~勇者を育てる数学Ⅲ~

同時に数Ⅲも始めていく。高2の間に全範囲終わらせたい。



高2~合格る数学Ⅲ~

数学Ⅲは特に計算力が重要だ。その点においては最適な本だろう。この本も重いところはとことん重いので注意が必要。1日1章と思っていると全く進まなくなったりする。とは言え、万人に薦めたい一冊




高3~やさしい理系数学~

一対一対応も例題は一通り身につき、演習題は重要なもののみやらせた。数Ⅲについても勇者と合格るが終わった後、一対一対応の例題のみやらせた。

そのあと、もうワンランク上の本ということで、いくつか候補があったのだが、本人の希望もありこの本をやることにした。

やさ理という名称で有名な本だが、内容は難しい。別解の豊富さが売りなのだが、解答も解説もなんとも簡素だ。一人で進めるにはかなり苦戦する本なので注意。とりあえず例題と合わせて演習題もやらせた。

この時点での学力は河合記述なら偏差値65~70程度、河合は高3になると高2までと比べて偏差値が下がるのが一般的なのでそれなりのレベルには達している。

とりあえずぼんやりと1周2周としたのだが、結果的にこの本をやったのはあまり良くなかったのではないかと思っている。単純にこのあとこの本をやったことでの学力の伸びが感じられなかったし、やさ理に書いてある内容もあまり身についていなかった。もう少し周回するとか、丁寧にこちらで解説するとか反省点はあったかもしれないが。A君自体も苦戦していたように思う。

悪い本ではないが、上手く利用するのは難しい本だと感じさせられた。




高3~東大数学で1点でも多く取る方法 理系編~

夏あたりから過去問への取りかかりとしてこの本を始めた。安田先生の独特の語り口調が面白くとっつきやすい。個性が強いので合う合わないはあると思う。A君もこの本はとても気に入り楽しそうに取り組んでいた。この頃になるとA君もようやくやる気になりかけてくれていた印象。やる気を出すのが遅すぎるが。。




高3~過去問~

秋から過去問演習に入る。同時にセンター試験の対策もしていたが、そこは割愛する。東大の過去問はなんだかんだ難しい。数学は赤本1冊とかではなく、2,3冊持って解説を読み比べるのもありだ。

大学への数学から出ているものは難易度表記や本番での受験生の声があるのが良い。解法は洗練されていて、コンパクト。最近、過去50年のものも出た。

世界一わかりやすい~はもう廃版になってしまったが、解説がとてもわかりやすい。リンクのものはプレミア価格になっていることもあるので注意。

さすがにやる気になったA君は朝から晩まで熱心に自習室にこもっていた。東大模試での判定はC前後が多かったように思う。数学に関して言えば本番では五分五分くらいでいけそうな感触だった。

そして受験を迎える。

出会った頃はピチューのようだったA君も今ではピカチュウ、いやライチュウのようにさえ頼もしく見える。

youtubeの参考書紹介もご覧ください。

オプスタ


僕が代表講師として立ち上げたオンラインプロジェクトです。
オンラインでコーチング、学習マネジメント、個別指導等を行っています。
受験生に最適な学習を届けようというコンセプトです。

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