見出し画像

10月12日はアルゼンチンでは文化の多様性尊重の日

コロンブスが1492年10月12日にアメリカ大陸を「発見」したことから、この日は中南米各国(すべてではない)では、大陸発見の日、コロンブスデー、人種の日などいろいろな呼ばれ方をしているようですが、アルゼンチンでは現在は「Día del Respeto a la diversidad cultural」(文化の多様性尊重の日)として休日になっています。

これまでに何度か呼ばれ方も変わり意味合いも変化してきたと、アルゼンチン人の友人に聞きましたが、「大陸発見おめでとう」と捉えるか「征服され始めた日」と捉えるかではまったく意味が違いますし、その上、先住民族のコミュニティーが現在でもいまだに社会の中で経済的政治的に取り残されていたり、生活や言語の存続すら危ぶまれていたりすることを考えれば、過去の記念日ではなく、すべての人々の尊厳を訴え続けていく意識を新たにする日なんだなと思います。

子どもの学校でも先週から「diversidad (diversity)」とずばりのテーマで話し合いが何度かありました。絵本を読んだり、自分の体験を話したりしていますが、娘はもやっとしたイメージのまま、スペイン語でも表現できず、聞いているだけでしたが、クラスメイトのほとんどの子が「多様性」に対する自分の意見を、大人の聞きかじりでも、しゃべっていることに感動しました。

中には、その日に新しい犬を飼えるから嬉しい!と発表している子もいて、それはそうだよなあと妙に納得したり。

さらに、休み明けの今日、6年生たちがメインで作った10月12日に関する動画が公開されたのですが、その中でアンデスのネイティブ、アイマラ族の旗「Wiphala」が紹介されていました。近年南米で原住民のデモがあるときにもシンボルとしてよく使われています。

7色の正方形が斜めに並べられていて、7色のラインに見えます。

それぞれの色に意味があり、

赤 - 大地、地球
オレンジ - コミュニティ・文化・教育
黄色 - エネルギー、力
白 - 芸術、技術、論理、時間
緑 - 自然、農産物
青 - 宇宙、無限や世界の創造原理
紫 - 地域の力、政治

を表すとされています。

アルゼンチンは、その後もヨーロッパ、アジア各国からの移民が多く、わざわざ考えなくても多様性を体現しているような国なのに、しっかり時間をとって子どもたちに考えさせるって、いいな。それが大事なんだな。

娘には、日本語だったらわかるかな?日本語で子ども向けに多様性について話している動画などを探したのですが、LGBTQに関するものが多くもっと広いくくりでの多様性については見つからず、家族でいろいろな話をしました。

そういえば、以前日本語教育推進基本法の中で「多様性」という言葉が出てきたので、こんな記事を書いていましたが、多様性は「普通」の中にいる「特殊」の話ではなくて、それぞれがもうすでに違う、そして各々尊重しあうというシンプルなこと。

カタカナでリスペクトというとなんか違うし、日本語の尊敬や敬うというのは正しいのだけど、仰々しい感じがして説明が難しい。しっくりくる訳し方はできなかったけれど、「その人のあり方、やり方を邪魔しないこと」と2年生の娘には説明しましたが、なんかかっこよくないなあ。

そして考えながら作った折り紙作品です。

なかなか気に入ったので、壁にかけてみたりして。

わかった、おしまい、ということはなく、常に考えていかなくてはいけないことかなと思うので、目立つところに飾っておきます。

好きなことを書いて好きな写真をあげているだけですが、サポートしてくれたら張り切っちゃいます。