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くろい火(詩)

逆巻く癖がついて
あの樹の天辺が
怒りで揺れる
あんたがた
あんたがた
音が両足を掴んで鳴らす
言葉をまとわない
一心の向かったところが
当て合う刃もなく
つらぬきあう
その指の切実なこと
恨みでも湧いてくれれば
この身が少しはあたたまるのに
たとえ その黒い火は
一本の草も愛さなくとも
底を失う恐怖より
目を届かせられるものだから

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