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「光る樹」(詩)

あなたは その身を失ったのか
両目の中で 伸びあがっていく力の流れだけが 鮮明だ
その枝は 無数に分かれていき
しなやかな線で 天に与えられる
内より 輝きは溢れていき
こぼれて
小さく 瞬く一片が
あたりへ溶けていく
空気が明るくなり
そこはもう 陽の光では届かないような
うっすらとしたものにまで
光は届いていく
光を生む大樹
言葉も 祈りも 含まれて
未来のように かすかにあたたかい
心に灯り続けるには 大きすぎる
けれど まるであなたそのもののすがたは
やさしい やわらかい 光は黄金色だった
あなただった 樹は光る
あなたである 樹は 光を放つ

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