「心をうつしとる」(詩)
心が凪ぐようにと 言葉を綴ることは
かなしいことだろうか
暴風を少しでも逃がそうと 白紙を暴くことは
暴力とはならないだろうか
あなたのかたちに空いていた穴は
浴びせ続けた言葉のおかげで
やわらかく淵を少し削ったけれど
大きくぽっかりと開いた口は 未だに
失っていく体温を 演じている
何を間違いと正し
それが果たして正直であることなのか
誰が正確に正解を打ち立てられるだろう
心をうつしとると思っている 作業は
鏡のように あらたに悲しみを 現しただけに過ぎないだろうか
それでも
細いペンの先
動くことに 使命を感じる指先は
言葉のあとを追いすがる
私の心でないとしても
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