「あなたの手」(詩)
あなたの手
別れに沈む
胸の中に引き込んで
忘れてしまえば
少しはこの温度をうつせるものか
あなたの手は
やさしく引き上げる
胸に空いた一本道
どこまでも風は飲み込まれ
暗闇の明るさはこぼれ いつか ぽっかりと終わっている
あなたの手
同じものは欲しくない
あなたの手が
唯一であるためならば
失われることすら受け入れる
あなたの手
私のなかみを覚えていて
飲み込んだ風の果て
いつか触れる その先から
明ける気配が染み出している
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