かれらは親友_「ふたりは きょうも」を読んで_
次男は、小学校の図書の時間に私の好きな本を時々借りて来てくれる。
今回も、
教科書に載っていて「母このお話とても好き」と言っていた「かえるくんとがまくんシリーズ」から「ふたりは きょうも」を借りて来てくれた。
「これ、ぼくは図書の時間に読んだから、
母はゆっくりよんだらいいよ」
なんていう、気遣いまでしてくれる次男。
たまにこの子はモテるのでは、、、とびっくりします笑
そんなわけで読んだ「ふたりは きょうも」。
相変わらずふたりの変わることのない友情がじわじわと胸に染み込む。
家のなかを片付けないから、やることが山の様につもってしまい、
それをひとつひとつかえるくんに指摘され
「あしたやるよ!」
と繰り返してベッドから出てこないがまくん。
でもしまいにはベッドから起き上がり、
「ぼく、あしたがゆううつなんだ」
なんて言い出す。
「だって、こんなにしなきゃいけないことがある」
そしてがまくんはあることに気付く、
そうだ、今からしてしまえば、明日は!!
__の、「あした するよ」。
ふたりで飛ばしに来た“たこ”。
かえるくんの指示で、がまくんががんばって高く飛ばそうとするけれど、
何度も失敗し、そのたびにこまどりたちに辛辣なことばを投げかけられ、
それを素直に受け取ってしまうがまくん。
そのたびに怒るでもなく、たんたんと
「次はこうしよう」
と言うかえるくん。
そしてそれを実行するがまくん。
そしてついにたこは、、、という「たこ」。
暖炉の火が燃える前で、
唐突にかえるくんががまくんに
「きみ、おっかないこときらい?
がたがたふるえること きらい?」
と聞きます。
くらくて、寒い夜。
かえるくんは小さな頃に両親と出かけた夜に起こった出来事をはなしはじめる。
それを聞いていくうちに、がまくんはのめり込んでいき_
こんな風のつよい夜をいっしょに怖がって越えられる友人がいるって素敵だ、と思った「がたがた」。
がまくんの誕生日にかえるくんが贈った帽子は、
がまくんのあたまには大きくて前が見えず、
散歩にでると躓いたり、転んだり。
他の帽子に替えてこようというかえるくんに、
がまくんは「きみが贈ってくれたのだから、この帽子がいいよ」と言って譲りません。
するとかえるくんは考えて、
「がまくん、じゃあ君、眠る前に大きなことを思い描くんだよ。
そしたらきみのあたまが大きくなって、きっとぼうしがちょうどよくなるよ」と言います。
その言葉を信じて実行するがまくん。
そして彼が眠ったころに忍んでやってきたかえるくんは__
がまくんの心を力づくで曲げないかえるくんが素敵な「ぼうし」。
ある日かえるくんの家に遊びに来たがまくんが見たドアの張り紙には、
「ひとりになりたい」というかえるくんからの手紙が、、、
そんなことを言われると余計に心配になってかえるくんを探してしまうがまくん。
そして見つけた離れ小島に、サンドイッチとミルクティーを持っていこうとするのだけど、話を聞いていた亀さんの言葉に、がまくんは__
がまくんの友情の混じりけの無い「すき」が空みたいに空気のすべてにつたわる「ひとりきり」。
どのお話にも、当然のようにふたりはとなりあっていて、
こんな友人がいたら人生は大成功だな、と思う。
かえるくんのどんなときも距離をたもって物事をみようとする在り方と、
だからこそひとつのことに左右上下に揺り動かされるがまくんの心を本当に大切にしているところが、大変好きです。
そんなかえるくんにときどきびっくりさせられるけれど、
悪意を素直に受け取ってしまっても、
同じ素直さをもって友人の言葉も受け入れられるがまくんも、
とても好きです。
次男の私への「すき」も相乗されて、
この物語がゆっくりと私の人生の中に編み込まれている最中のようです。
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