「おしまいなさい」(詩)
私の頭の重たさを覚えていて
握りしめた指が
何を示していたのかを
染みついた手で
パンをちぎって
野菜を切って
あたたかなコーヒーを飲み干して
私の飾らない息を
揺らした目を
のぞんだいのりの形
その身にうずめた姿を
光で踏みつけないで
やわらかでいさせて
他力で優しくなくなんてなくていいから
あなたが限りあることを忘れないで
私が黄昏に暗くうすれるさまを
あきずに時折り目に戻して
あなたがどうして小道が好きなのか
糾った紐が結ぶ花の足
明日を胸にしまって
おしまいなさい
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