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「詩を知らない」(詩)

ほんとうの詩なんか 知らないんだ
白んだ朝の その底の白さを
うとましく思って 鵜呑みにしてた

幼い満ち欠け 弛んだ立て札
垂らした鳩尾に 足し算が淡々と
企みの通りに 立ち振る舞う

大した役者に 色粉を吹いて
芯からしとやかな 静かの湿り気を帯びさせましょう

知識の城より 真意の報せを
知りたがったしみったれ
雫の打つ音 調べで死のドアを沈めて

指揮を振り合う同じ染みの信頼に
飛び立つ合いの手 お任せします

信じあった仕組みの支柱に
まだ 閉まらない新芽の
しなやかさを敷き詰めて
終いの仕掛けを撫でましょう

踊るように口紐を結び
死活の縁を仕切りませ

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