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「混沌にて」(詩)

混沌は
わたしたちを はなしてくれない

渦巻く ねずみ色
嵐の数滴
木枯らしが目を つむってしまう
全てをさらう 大風がかきまわす

とどまることも
ただ通り過ぎることも
許してはくれない

たちまちに 両手は巻き上げられ
ただちに全てを見ることを強いる

もう ここに居たいとも
居られるとも 思い浮かばないけれど

必死に握る 一瞬
これだけは、と すがる

ああ きっと この手の中で
同じ悲しみが滲んでいる

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