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アメブロに漫画のおススメ書いてます!

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アメブロに上げているおススメの漫画(など)を書いてます。
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#漫画感想文

『チ。地球の運動について』を読んで。

『チ。地球の運動について』を読んで。

天動説が信じられていた時代に、
地動説を証明しようとしたひとたちの物語。

異端審問の残酷な拷問シーンも、
無残に人が殺されていく場面も、
道半ばで死を目の前にした人たちも、
たくさん描かれています。

というか、
ここに描かれる人たちのほとんどが
そういう人たちです。

一巻ずつくらいで語られる中心人物が変わっていき、
そして最終巻の八巻で
そこまでの膨大なすべての人たちの営みが収束します。

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『苦楽外』宮澤ひしを、を読む

『苦楽外』宮澤ひしを、を読む

寝過ごして辿りついたバスの終点は、
ひとりの少年と、
打ち上げられる海の生き物があるばかりの海辺でした。

どうしても帰られない主人公は、
その海辺で過ごすうちに
過去のある一日に、強烈に焦点が当たることをどうすることもできない。
その日の現実が彼を呑み込んだ日、
彼が取らされ、そしておそらく心の奥底にあった選択として選んだ道。

こんなふわっと着地してしまった結末が、
なかなか頭から離れないお話

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笠原千鶴先生の『ボクんちの幽霊』と『白い砂のアクアトープ』というアニメのこと

笠原千鶴先生の『ボクんちの幽霊』と『白い砂のアクアトープ』というアニメのこと

今日は、朝の起きた瞬間が物凄く落ちてしまっていて、
なんとか気持ちが持ち上がるものをと探した結果、
去年見ようと思って見られなかった『白い砂のアクアトープ』を思い出し、
Huluで見始めました。

オリジナルアニメで2クールなのってすごい。

ある出来事をきっかけに夢だったアイドルを諦めて、
沖縄にやってきた風花が辿りついたのは、
老朽化によってもうすぐ閉まってしまう小さな水族館でした。

そこで

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心を動かす「お笑い」を目指す二人の、、、『ショーハショーテン!』漫画 小畑健 原作 浅倉秋成

心を動かす「お笑い」を目指す二人の、、、『ショーハショーテン!』漫画 小畑健 原作 浅倉秋成

(数日前に書いたアメブロの記事なのですが、
 もったいない精神でのせます)

塾がいっしょだった女の子が転校すると知った帰り道、
その子に
「何か面白い話をして」
と言われたけれど、
その時は何も言えなかった畦道は、
やがて中学生になり、
夜ごとラジオやテレビの投稿企画に応募してはチャンピオンを搔っ攫っていく有名な投稿職人になっていました。

そんな彼の正体にひょんなことから気づき、
いっしょにコ

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『つくも神 ポンポン』中田いくみ

『つくも神 ポンポン』中田いくみ

祖母の手芸店「オペラ」を継いで、
日々店番をする坊ちゃんこと清之介のもとに、
ある日「毛糸のおばあちゃん」が訪ねてきます。

おばあちゃんは、「レディー毛糸」という毛糸の工場をたたむことになり、
商品を長く卸していた手芸店のお坊ちゃんに挨拶に来てくれたのでした。

この「レディーの毛糸」には、
販促キャラクターのポンポンさんという女の子がいます。
手芸店「オペラ」にも彼女の置物があるのですが、

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『日本三國』 松本いっか

『日本三國』 松本いっか

この漫画を読んでちょっと私は後悔しました。

とっても面白かったです。

そして悲しいことが沢山起こるんだろうな、と確信する漫画です。

藤原タツキ先生の『ファイアパンチ』を読んだ時の
気持ちに似てる気がします。

あー、、、
この苦しいにしばらくくっついていくのか、と。

日本が滅亡し、三つの国が争いあう時代に、
権力や暴力ではなく、
知識と弁を武器に日本再統一を目指す物語です。

けっこうえぐ

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