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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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#詩が好きな人と繋がりたい

「風の行く」(詩)

さみしくても 重たくても 生きていく のっしのっしと 足を力強く持ち上げて 生きても 生…

とし総子
1年前
5

「ちいさな爪」(詩)

可愛い子供の爪をひろう 細い細い月の形 白はくもってやわらかい 降ってくる満足の月光りを う…

とし総子
1年前
10

「あばれ馬」(詩)

あばれ馬だね さようなら 根こそぎ 刻んで そろえたの この口紅は もう傷んでいて 私の唇…

とし総子
1年前
6

「星空」(詩)

ワタシが泣く理由を あなたが あおぎ視る テントを張った崖の上で 星空ごと流れていった 手が…

とし総子
1年前
11

「うごくあなた」(詩)

あなたは 迷うことがない あなたは あなたこそが導きだと 自覚している 迷いの中にあったと…

とし総子
1年前
10

「鍵と情」(詩)

さがすほどのものではなかった ひとつずつ 顔をたしかめて その頬を 撫でたり ひっかいてい…

とし総子
1年前
8

「かすむ果て」(詩)

宇宙のなれの果て かみさまのつめさきは 色をもつほど 時を重ね 愛をしってしまうところまできている なにものでもない 眼でもないすべての点で すべての感覚をのみこみ続ける かみさまの本質は はじまりを望み 終わりを夢にみはじめてしまう ありきたりのなれの果て まじりあった視点の奥で 成り立つ足場を揺らしたい

「合わせ手のあいだより」(詩)

どうぞ 水の母へ 月の姉へ 風の兄へ 土の父へ そしてまわりを包み込む 空へ 感謝を この今に…

とし総子
1年前
8

「はじまる」(詩)

はじまるよ、と声がする 遠くて 明るい 青を透かして どこか 端は消えてしまう はじまるよ…

とし総子
1年前
4

「口をくくる」(詩)

終わった瞬間が はじまった瞬間ならば 永遠にくたばった いくつもの思い出は 粉々になって 砂…

とし総子
1年前
7

「予感」(詩)

いつも 私は 予感に苛まれている いいことも 恐ろしいことも 平等にやってくるというけれど …

とし総子
1年前
7

「たゆまぬ かえり路」(詩)

たましいが  体を放り出して 沈んでいくような 感覚だった ほんのひと息 吸い込んだ空気に …

とし総子
1年前
7

「あらなみ」(詩)

死にたいを煮詰めて すこぶる明るく 気を高ぶらせるくらい 上向きの声をあげる 新しい道を 不…

とし総子
1年前
6

「私のとなりはあけられます」(詩)

私には 希望より 絶望のほうがなじむ 肌は呼吸で その匂いを知っている 私は視界の暗さで 訪れを知る やぁ いらっしゃい 今日はいつまでいられるの 旧友をもてなす気持ちで 席をつめる それに馴染まないのは 絶望のほうで 細い指をためらわせ 静かすぎる空間を生む 居たいのなら  居たいだけ どうぞ いつかはその 染まらない顔に 主が 走ることもありますか