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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2024年2月の記事一覧

「返事」(詩)

あなたを呼べば あなたが返ってくればいいのに 遠く 遠くでいい ここに 私に帰らなくてもい…

とし総子
3か月前
14

「光に変えた」(詩)

君が光に変えた 暴力のように 荒れ狂う心を抑えつけ 根こそぎ全てを現わせと 暗闇に潜んだ私を…

とし総子
3か月前
6

「何も言わない」(詩)

何も言わない 何も言わないで 何も言わない 何も言えないで 何も言わない 何も言われてない …

とし総子
3か月前
7

「熱が咲いていた」(詩)

熱が咲いていた 求める心と 求める心が 結び合う 熱が咲いていた グラデーションを与える炎 …

とし総子
4か月前
16

「電子音」(詩)

誰の 誰の 誰の うちの電話を鳴らすのは 誰を 誰を 誰を 間違い電話は追っかけるわよ 嘘も…

とし総子
4か月前
8

「猫」(詩)

眠い猫 どうして膝で丸まらない? あなたの前では 高く鳴く子よ 私の手の平はきらいかい? 眠…

とし総子
4か月前
8

「青空」(詩)

雪の日を数えていた 残る足あとを 追いかける夢を見る 雨の日を見上げてた 一粒の雨の悲しみも 私には背負えない 雲を遠くに覚えてた あの日と同じには いつなるのかしら 割れた青空が背中を向けるのは あなたを見つけたと言い張っては 無理にのぞきこんでしまった私の所為なのよ

「きらい きらい」(詩)

その覚めた眼が嫌い どこを歩いてきたのだか 長い足指に詰め込まれた泥も 寒い中 口から 鼻…

とし総子
4か月前
8

「光をかえす」(詩)

私はウソに包まれて 女の子と鳴りました あの火を点けた夜 手の平同士を合わせて見つめた眼 …

とし総子
4か月前
8

「嘘を言いました」(詩)

行かないでもいい ウソを言いました べつに欲しかったのじゃないと ウソを言いました とって…

とし総子
4か月前
10

「嘘を吐きません」(詩)

嘘をつきました 私は 嘘を吐いたことはありません いつだって そうだったらいいとおもい そう…

とし総子
4か月前
10

「ひとつ道を捨てる」(詩)

行くべきだった 道を前に 目を伏せた 歩き続けることに あなたが同意してくれたから あなたの…

とし総子
4か月前
13

「貝殻」(詩)

あなたを巻き込む糸 どうしようもなくて 手が手繰る やさしい咳を撫でる どこにもいかないで …

とし総子
4か月前
15

「砂を焼く」(詩)

あなたのその繊細さは お母さんのお腹の中の 砂をつかってつくった 胸に嵌めこんでいる色硝子の 緋色の部分のためなのね 女の腹の重い砂を掬って生まれ 大声で泣いて鞴は火を起こす あなたの胸から降ろされた光は うすくて明るくて甘いように滴るの それが誠実を照らすのね