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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2023年1月の記事一覧

「大切なひと」(詩)

卑屈になんて ならないで あなたは ただ大切なひと 誰かにとって そうではなくても あなた…

とし総子
1年前
11

「まぶたを逸れて」(詩)

私の至る道は そこは行きつく場所なのか 流れ辿る場所なのか 不鮮明なまま 言葉だけが 間を…

とし総子
1年前
9

「上等なわたし」(詩)

わたしは いっぱいに元気じゃないけれど 弱っちくはないな 上等! 上等! 一級品 わたしは…

とし総子
1年前
13

「逃した魚の足」(詩)

逃した魚は大きい 一度私に足先を下ろしたお話に 私は近々二度も 手を伸ばし損ねた あとに残…

とし総子
1年前
9

「ドアと私とノックの信用」(詩)

ドアをノックしているけれど これが本当にドアなのか 私の求めに応えるものなのか そもそも私…

とし総子
1年前
11

「あなたの自由」(詩)

あなたは器用に 私のすべてを受け流し 閉鎖を逃れて 蝶と化ける あの一杯の盃で 何かひとつは…

とし総子
1年前
9

「 戯言 」(詩)

無理に言葉を追いかけて 短いおどしのあとに口付ける 狼煙のように 互いを抱きしめ合い 呪いのように 互いを引っ搔いて そばに在ることが絶対のように 型に押し込む 私らしく立ち振る舞って 戯言を口走ればいい

「どうかしら」(詩)

わたしは 自由かしら どうかしら 光はあたる その場で認めあうことを捨て どれほど混沌を吞…

とし総子
1年前
6

「悲しみと分別されるさみしさと」(詩)

泣くことに 飽いてしまいたい もう目を覆う以上のしたたりはなくし 悲しみだけが そして分別…

とし総子
1年前
10

「たからものにしたくない」(詩)

あなたはわたしの 宝物みたいなひと ほんとうは 鍵のかかる戸棚のおくとか やわらかなクッシ…

とし総子
1年前
9

「おなじものにならないで」(詩)

おなじものにならないで どうか どうか 花の唇 押し当てて 星のうつりゆく先を 見つけたい…

とし総子
1年前
8

「あやまって、くいしばる」(詩)

いちばんさいしょに あやまることで たいしたあやまりでもないことを たいそうなことばであや…

とし総子
1年前
14

「すき、と」(詩)

すき、というだけで もう 充分 救われていたし 光はみえていたし あたたかさを 思い出して…

とし総子
1年前
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「おぼえているのは、それだけ」(詩)

生き延びてしまった だなんて 言い逃げもいいところ せめて美空の遥か上 なんてところに居られたら この叫びも 気持ちいいだろうに すぐそばで ただ 手が届かないだけで より近くに いるんだけれどさ、本音を言わせてくれることはもう無いから 生き延びてくれよ その胸よ 繰り返せ 今の一秒を送り出し この今を抱きしめて 急ぎ足には要注意 そのままの体温で 繰り返すその音が温める 体温は沁み込んで この目はそれを 追いかけているのだから