見出し画像

「逃した魚の足」(詩)

逃した魚は大きい

一度私に足先を下ろしたお話に
私は近々二度も 手を伸ばし損ねた
あとに残るものこそ
書くべきもので
忘れてしまったものは それまでのもの

なんて言うけれど

あの揺れるスカートの裾
ひざのお皿のうらの白さ
健康な足のうらのふくらみ 

きっと骨だけになっても
大きかった魚のことを思うことができたのじゃないかしら

心は惜しむ

ただ単に
身体はため息をおとすばかり

この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,537件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?