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ドイツテレビ番組『ソーセージの闇』解説

番外編、という事で先月6月末に放送されたドイツのテレビ番組の解説をします。私のブログに出てきているフォル(フランツ)氏の最新の番組です。

私が最初に見た番組から、その経緯でフランツに会いに行ってから数年。状況は良い方向に飛躍的に進みました。彼の情熱に感謝です。

数回に分けて解説します。

↓番組URL

https://www.ardmediathek.de/video/45-min/geheimsache-wurst-was-essen-wir-da/ndr/Y3JpZDovL25kci5kZS8yNTI3MThmNS0zNTMyLTQ5NWMtYTMzYi02NzA1ZGFiMjMxOGU

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~2:50  街角インタビュー in ハンブルク

鳥肉のソーセージを試食して。
ドイツで愛されているソーセージとありましたが鳥肉と言うことでヘルシーと言う印象があるのかなと思います。
ただ私の修行したバイエルンでは、好きな人はいるだろうが、ハンブルクのそれとまでは行かない印象です。

ドイツ人は
ひとりあたりソーセージを
1パック/1日あたり
27kg/1年
消費するとのこと。
ヘルシー志向が高まったことでこれでも昔に比べたらかなり減ったと聞きます。

印象的だったのはインタビュアーが

『どのような肉が使われていると良いですか?』

『良い質問ね、意味ありげじゃない!』
のくだりです。
また
セパラトーレンフライシュ知っていますか?
『専門用語ね、わからないわ』
というのも消費者は何もしらない、知らされていない、という番組のタイトル

『ソーセージの闇』
にも繋がります。

2:50~主役のフォルさん登場

見たところ私が伺ったフォルさんの自宅の庭でした。広大な庭です。

フォルさんからはセパラトーレンフライシュの説明。
映像の通りセパラトーレンフライシュは破棄するもの(骨など)をマシーンにかけ生まれたものです。
インターネットから購入可能だが価格は伏せてあり、フォルさんは一キロ50セント(感覚的に50円)でまともな肉の5分の1。今回のメインは鳥肉のセパラトーレンフライシュです。
セパラトーレンフライシュは、許可されたものだか表示義務がある。
果たしてだれがこのようなものを使っていると表示したいでしょうか?

そして問題は、使用していることを(今まで)証明できなかったことです。
果たして本当に使用していないのでしょうか?

数年前の番組内から補足です。
2011年、EU調査
ドイツでセパラトーレンフライシュは
およそ 130000トン作られている。
そのうち62000トンは海外へ。
残りはドイツ国内で使用されているがどの商品に使用されているのかは全く分からない。


5:30 Hochschule Bremerhaven
専門的な大学で、より実技の多い大学

フォルさんは同大学教授でたんぱく質のエキスパート、ヴィトケ氏と共同で、簡単に素早く製品の検査が出来るよう研究。

ヴィトケ氏
従来の検査方法は、(セパラトーレンフライシュに骨などが入るので)小さな骨の欠片やカルシウムの含有量を調べたりしていました。
しかし、(機械の進歩により)それらから見つけることは難しくなっています。

6:50 ロストックの公的検査機関(管轄はメックレンブルグ フォアポマーン)
責任者のハイコ・ゲーナー氏が今まで通りの検査方法を示す。
『10年20年前は見つけることが出来ました。機械の進歩で見つけることが困難になっています。100あって1見つかれば良い方です。少しだけ入っている、では証明にならない。見つけることはほぼ不可能。』

インタビュアーとのやり取りから
『お手上げ』であることが見てとれます。
故に、『検査するだけムダ』となり検査数も満足のいく数字とは言い難い数字となっています。

10:40  フォルさん同業者(セパラトーレンフライシュとは無関係の)にプレゼン

どのようにセパラトーレンフライシュが作られているのか、入っていることが検査で分かるようになったことを伝える。

骨とナイフを持ったフォルさんの写真。マイスターの試験等ではこのように骨抜きをせず一本一本抜くが日々の仕事では塊で抜き骨と骨の間に残った肉はあとからキレイに取りあげる。この作業は弟子がナイフさばきに慣れるために行われたりする。

『工業製品の現場ではこの骨と骨の間に残った肉を抜き取らない。わずかに残った肉はそのまま残し、骨と共に機械にかけてセパラトーレンフライシュにする。今の進歩した機械では100%骨を残さないことが可能でカルシウムが残ったとしても化学的に減少させられるからである。
しかし我々は椎間板や軟骨にのみ存在するたんぱく質を調べることによって、セパラトーレンフライシュの有無を証明することができるようになった。』

セミナー参加者マルクス・マイル

『消費者が嫌なものは法で規制すべきです。でなければ必ず表示すべきです。何を食べているか分かるから。新しい検査方法が見つかりとても嬉しいです。』

13:30 フォルさん実演
ブラインドテストで果たして検査は成功するのか?

0%
5%
10%
20%
のセパラトーレンフライシュ入りのソーセージを作り検査。

14:40 ヴィトケ氏の研究室で検査

『検査は成功しました。それも入っているかいないかだけではなく、含有しているか、少しだけか、それなりに入っているか、とても多く入っているか、そこまで分かりました。』

※今回の番組は番組後半に出てきますがヨーロッパで発行部数が最も多いニュース雑誌『デア シュピーゲル』とも共同制作でそのオンライン動画ではヴィトケ氏のガッツポーズが見られます❗
こちらの番組よりもかわいい、純真な研究者の顔がうかがえますよ❗

16:00 世界最大のメッセ in フランクフルト

機械の見本市で、セパラトーレンフライシュを作る機械の世界最大手、リーディングカンパニー、フランスのリマ社にインタビュー敢行

『ドイツに機械はいくつあるのか?』
『50基くらいかな、と思います。』
『どれくらいの処理能力があるのか?』
『機械は大小あるけど。。。平均一時間に1000kgかな』
『セパラトーレンフライシュはどこに行っているのか?』
『安いソーセージですよ、フランクフルトや鳥肉のソーセージ・・・表示されているじゃないですか』
『表示されているのを見たことがありません』
『・・・ドイツのことは分かりません、フランス、ベルギー、オランダなどでは表示されていると思いますよ』
『ドイツの事情を知っている人いますか?紹介してください』
『・・・こういった番組に良い思い出がないので、紹介したくありません』

数年前の番組ではモザイクがかけられていました。よく答えてくれたと思います。
この会社、世界最大手、リーディングカンパニーということで調べて見ました。日本語にサイト翻訳してみてください。

100ヵ国以上に拠点があり、見辛い地図、並んでいる国旗には日の丸があります。

何を意味しているのでしょう。

Lima Frankreich (フランスのドイツ語)で調べてサイトを自動日本語翻訳して調べました。興味のあるかたは是非。

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