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きっかけ作りは大事

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。
ごてんまりとは、秋田県由利本荘市に伝わる工芸品の一つで、丸くて可愛らしい手まりのことです。

わたしはごてんまりを広めたいと考えていて、由利本荘市や工芸品に興味の無い人にも、関心を持っていただけるように、いろいろと試行錯誤しています。


たとえば、宝石をイメージしたごてんまりを作ったり。


プリキュアレベルで可愛いまりを作ってみたり。


某人気アニメに出てくる手まりを実際に作ってみたり。


あとは占いができるので、占いを組み合わせたまりを作ったりしています。



残念ながら伝統文化というのは、「今」盛り上がっている文化ではないので、何もしないで放っておけば、どんどん廃れていく運命にあります。
そして由利本荘市も手まり文化も、多くの人にとって、さして生きるために必要な情報ではありません。
秋田県由利本荘市のごてんまりを広めたいと思ったら、できるだけ多くの人を巻き込めるような、ライト層に訴えるアプローチが必要です。
要はきっかけ作りですね。

たとえば、食べ物を模したまりを作ってみます。
単純なまりでは興味を持つ人が限られてしまいますが、「食」は万人が興味を持つコンテンツなので、多くの人にアピールできる可能性が高まります。

まりおだんご


実は、最初に紹介した宝石をイメージしたごてんまりも、最初はそんなに注目されませんでした。
しかし「誕生石」をイメージしたごてんまりを12ヶ月分作ったら、注目度がダントツに上がりました。

誕生石ごてんまり 説明あり

宝石に興味を持つ人は限られていますが、誕生日を持たない人はいないからです。
「これは1月の誕生石ガーネットで、こちらは2月のアメジストですね。」
なんて説明すると、
「わたし、4月生まれなんだけど」
と、お客さんのほうから関心を持って聞いてくださいました。

イベント会場で、現在放映中の映画『呪術廻戦0』に出てくる指輪の宝石について話したら、ふだん宝石にもごてんまりにも興味がないだろうと思われる子どもたちが、誕生石ごてんまりを見にわっと寄ってきました。

やっぱり、「由利本荘市のごてんまりが~」とこちらの言いたいことだけを中心に話すより、その人がもともと興味を持っているコンテンツの情報を入れて伝えたほうが、関心を持って見てくださるようです。
伝統を守るのも大事かもしれませんが、適度に流行を取り入れるのも大事だと思います。

地域の伝統工芸だからといって、伝統ばかりにこだわっていては、今の多くの方が何に関心を持っているのか分からなくなってしまいます。
その結果として若い人や「今」のお客さんにそっぽを向かれて、文化自体が廃れてしまっては元も子もありません。

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