生き物140字小説まとめ④
【No.855 なめくじさい】
いつも明るい女の子が、最近は虚ろな目で性格もジメジメしている。ロングだった髪型は団子頭に変わって、よく見れば赤と青の紫陽花だった。遊びに来た女の子に塩を振ったスイカを差し出すと、一口食べた瞬間に体が縮んで倒れ込む。やがて、紫陽花から無数のナメクジがぼたぼたと落ちていく。
【No.860 わたしのアール】
「『苦虫を噛み潰したような顔』って言うけどさ、見たことある人っているのかな」いつも屋上にいる女の子が私に話しかける。「だって、噛んだ人がいな