「ザリガニの鳴くところ」観た。

原題:Where the Crawdads Sing
監督:オリヴィア・ニューマン
出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、テイラー・ジョン・スミス、デヴィッド・ストラザーン 他
上映時間:125分 公式サイト

ディーリア・オーエンズの小説「ザリガニの鳴くところ」を映画化。


母を待つ気持ちを持ち続け、湿地の家を拠り所にする日々の先にあるのは幸せかそれとも。


本で想像を膨らませた湿地帯。
こんなに広大だったのか!
ノースカロライナのロケーションが感動的。

多様な生態系にもっと寄って捉えてほしかったところ。


事件の真相を追いかけることのみ集中していた印象。

駆け足に感じて余韻が生まれていなかったし、受け取る余地も少なくて、ドラマに物足りなさがあった。
淡白な演出で、雑貨店夫妻や幼馴染の気持ち、人情がいまひとつ沁みてこない。


閉幕が性急。
気の毒に見えたまま終わる。。

原作既読だから補完はできたけれど・・・。


情感を含めて巧みな筆致のミステリーとラブストーリーを、映画でも感じたかったなぁ。


ほぼ独演の主演女優、デイジー・エドガー=ジョーンズが素晴らしい。

殻に閉じ籠もっているようでいて知的で繊細に気丈。
遠くを見つめる観察眼の深い眼差しが印象的。

つらい境遇から自立していく様を生き生きと演じ切った姿が美しく、閉幕後も像を結び続ける魅力があった。


人柄を滲ませる弁護士も素敵。
デヴィッド・ストラザーン!


瞬間で変わる人生の不条理と不思議。
孤独だけど孤立はしていないカイアの人生に触れる物語。

そのテーマを代弁するような主題歌が心に響く。




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