「シン・ウルトラマン」観た。
監督:樋口真嗣
出演:斎藤工、長澤まさみ、早見あかり、有岡大貴、西島秀俊、山本耕史、田中哲司 ほか
上映時間:112分 公式サイト
言わずと知れた「ウルトラマン」を、企画・脚本「庵野秀明」、監督「樋口真嗣」で新作映画化!!
世界観を矢継ぎ早に伝える幕開けが最高!
未知の脅威を連ねる本編の構成は、毎回不思議体験を提供したウルトラQテイストが強くて面白かった!
期待を裏切らない楽しさで胸わくさせる、ウルトラマンパートに引き込まれた。
成田亨氏による油彩画「真実と正義と美の化身」をモチーフにしたデザインが抜群。
カラータイマーが付いていないことで宇宙人感が全開。
畏怖と不気味とヒーロー性が溶け合い、科学の極致を具現化した有無を言わさない存在感が目を引く。
一方で、人間パートの全般が熱意や友情に欠けて盛り上がり不足・物足りなさを感じた。
度重なる危機が手に負えず、お手上げ状態でしかない「禍特対(カトクタイ)」チームはキャラ立ちには至らず、いまひとつ魅力に乏しい。
人類のはるか先にある科学を目の当たりにして、平和よりも防衛と称した軍事方面が活発になる政治劇は「シン・ゴジラ」を踏襲。
独特なアングルの多用も重なって、どうしても既視感が・・・。
相変わらずの政府や、危機を危機と感じずにエンタメ的に消費してしまう社会をちっぽけに見せるかごとく、まるでマーベル作品のように広大な宇宙を感じさせる未知の来訪者たちとの対話が印象深かった。
滑舌いいメフィラスパートが好き。
彼ら(?)が突出していて、「禍威獣(カイジュウ)」の禍が霞んでいた気がしないでもないが。
目に見える形となって出現する災害との対峙をもっと見たかった。
人間の気高さに触れて、守るための行動を重ねていくうちに独自性を確立してゆくウルトラマン。
かけられた締めの台詞が沁みる。
目の前だけじゃなく、宇宙から地球を見つめるように大局的な俯瞰視点まで視野を広げてくれる新しいウルトラマン像だった。
実写でも、専門用語などの畳み掛けをエンタメ「空想特撮映画」として成立させてきた流れは、エヴァンゲリオン実写化に向けた地ならしにも見えてくる。
ええ歌や!
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