国土交通省の自動運転に関する議論が面白い。自動運転の問題点とは?

こんにちは、じゅくしんです。

私は自分がペーパードライバーなこともあってか、自動運転関連のニュースや情報を集めるのが結構好きです。それで国土交通省の以下のサイトを見ていたのですが、

第76回基本政策部会の議事録を読んでいて面白かった部分がありまして、それは何かというと、

「自動運転と実際の交通の規制との関係について」

でした。

運転している方は分かると思うんですが、制限速度を守って走っている車って実際ほとんどありませんよね。例えば、教習所とかでも、制限速度を守りましょうって座学では言うわけですけど、実際に道路にでてみると、交通の流れを妨げてはいけないってことで、実際の制限速度より早めで走るように指示されたりします。

交通ルールって、規制と実際の運用されているルールにここまで乖離があるのが不思議なんですけど、自動運転車の場合は交通規制に合わせて設計されるわけなので、そこがちょっと問題みたいです。
以下、議事録の一部を引用します。これは、勝間和代さんが自動運転車に乗った時に感じたことを仰っている部分なんですが、興味深かったです。

実際にユーザーとして運転していると、ちょっと安全規制が過剰なんですよ。全体的に、やはり当たり前ですけれども、事故を起こさないように、事故を起こさないような規制が入っていますので、かえって事故を起こしそうなんです。
具体的にどういうことかと言いますと、カーブに差しかかったり、あるいは、交通規制が入りますと、交通規制って理論的には、特に工事をしている高速道路の場合には、時速 50キロ制限になるんですよ。そうすると何が起こるかと言いますと、私の自動運転車だけ律儀に時速50キロに運転速度を落として、ほかの車に追突されそうになるんです。

第76回基本政策部会議事録32ページより

つまり、過剰に規定を守ろうとすると、実際はルールが守られていないから、逆に危険になるということでした。これ、自動運転の大きな課題だなぁと思うと同時に、守られていないルールっていったいなんだろう?とちょっと考えてしまいました。

そして、久保田尚さんのこちらの内容もなるほどなーと感じました。

ここで議論になるのは、やっぱり安全の話で、どうしてもいわゆるリスクゼロ、事故ゼロを本当に目指すかどうかというのが非常に大きな議論になるんですね。人によっては、事故は事故なんだからゼロリスクなんていうのは無理に決まっているだろうということを言う人もいますけれども、これから技術を開発する側としては、やっぱりゼロリスクを目指すと言わざるを得ないと私は思います。それで実際そうなるかどうかは別として、そうだと思うんですね。
その点で、どこかに書いてありましたけど、例えば、歩行者の飛び出しとか、そういうことにどこまで対応するのかというのは非常に大きな論点です。例えば、一度やってみたことがあるんですけれども、見通しの悪い交差点で子供が飛び出してきても絶対にひかないようにするのは時速何キロで走らなければいけないかって割と簡単に計算できて、そうすると時速5~6キロで走らなきゃいけないんですね。そうすると、交差点のたびに時速 5~6キロにスピードを落とすというのは、もう道として成り立たないようなことになっちゃうんですね。ただ、そこに交差点の真ん中でセンサをつけて、路車間通信をして、子供が飛び出して くるというのを車に伝えて、それでブレーキを踏むと、それを前提にすると、割と高いス ピードで交差点で飛び出さない限り通過できるというのがある程度計算はできるんですね。

第76回基本政策部会議事録34ページより

これ、つまりは、自動運転というのを本気で普及させようとしたら、車だけ自動運転ができるように高性能化すればいいというわけではなくて、道路とか信号とかあらゆるものをセンサーを付けたりして整備して、そして、なおかつ今までの規制も見直していかなければならないのか…と結構途方もないような気がしてきました。

とはいえ、自動運転の普及によって、様々なメリットもあるわけですし、この議事録の中で紹介されていたBOLDLYという会社の自動運転バスの実用化については、中々面白かったです。

自動運転、少しずつ実用化していってくれると、ペーパードライバーの私は嬉しいんだけどなぁと感じた出来事でした。


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