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【読書記録】『新型コロナとワクチン私たちは正しかったのか?』を読みました!

こんにちは、じゅくしんです。

既に読み終わっていたんですが、ずっと感想を書きそびれていました。
本書が書かれたのは、オミクロンが流行る前でしたので、ちょっと情報としては古いのですが、書かれている内容は、自分が疑問に思っていたことなどが分かりやすく書かれていたので、コロナウイルスの報道などを観ているときに感じた疑問を解消することができました。


普通の風邪である普通感冒と、新型コロナウイルスに感染することによって起きる病気の違いとは?

新型コロナウィルス感染症は、ウィルスの感染症と免疫系の暴走の2つの顔を持っている。この免疫系の暴走「サイトカインストーム」を抑える戦いがコロナの重症化を引き起こすことがわかっているそうです。しかしなぜ暴走するのか、どうすれば止まるのか、などはまだ正確には分かっていないことが多い。

こういった、サイトカインストームは普通の風邪ではまず起きない症状であり、またコロナウイルスには後遺症の問題もあり、症状がかなり長引くこともある。これも普通のかぜでは起こらないそうです。

じゃあ、なぜ風邪と同じと言う人がいるのか?

こうして考えると、なぜ普通の風邪と同じだと言う人がいるのでしょうか。

それは、風邪と新型コロナウィルスが、感冒、すなわち上気道にいろいろな症状を引き起こす病原体の仲間であると言う点では同じだから。
感染初期の状態、8割の回復者だけ見れば、確かに普通の風邪と同じような部分もあるし、実際普通の風邪かコロナウィルスなのか見分けるのは大変な部分もあります。

でも同じところだけ見て、だから普通の風邪と同じと言うのはおかしい。
よく似ているかもしれないけど、かといって全部が同じでは全然ない。
限られた部分だけを見て全体を判断してはダメ。
ここに認知バイアス、人間の認知の癖が働いているように思う、と著者は考えているそうです。

一部を見て全体を判断することの危険性

一部を見て全体を判断すると、風邪と同じに見える。
しかしこれは間違いで、
「俺の知り合いはヘビースモーカーだけど健康だ」
とか、
「あの健康飲料を飲んでいるから調子が良い」
とかの、
「誰々さんはこうだった」話とか、例えば自分の身近に、新型コロナにやられたけど軽症で済んだ人がいるとかだったら、新型コロナなんてただの風邪だと思ってしまいます。

しかし、感染した2割もの人が中等症に以上になるのは大問題。2割って相当多いそうです。感染者が抑えられている状態でも、ダイレクトに命の危険につながる呼吸不全への対応を迫られる患者が増えれば、人も設備も緊急で対応せねばならず、医療が逼迫していく。そして感染が拡大したら、一気に重傷者の絶対数が増えていく。

この程度の死者数で騒ぎすぎと言う人が見落としていること

年間10,000人しか死なないのに、そこまでコロナに特別な対応しすぎているのではないかと疑問に思うこともあります。
しかし、ぽっと出の新たな病気が、年間10,000人もの死の原因になる事は大変なことなのだそうです。

治療薬があればワクチンはいらない?

新型コロナと戦う医薬品としては、大きく分けて予防薬としてのワクチンと発症した後に使う治療薬があります。

では、治療薬があればワクチンを打たなくていいのか、というとそれは違うそうです。そもそも感染する人を減らす対策が必要で、例えるなら、火事が起きてから消すよりも、火事をそもそも起こさないことを優先した方が被害が少なくなるイメージ。基本予防策やロックダウン等の対策、そしてワクチンの接種によって、感染しない、というのが基本となるそうです。

感染対策は代わり映えしない

私たちは様々なニュースや、最新情報に社会が踊らされてしまうのですが、まず基本に帰り、ワクチンを打つこと、感染が拡大した時期には、三密回避すること。私たちが考えるべきはこれくらいしかないんです。
マスク、手洗い、3密回避。どれも地味だし、感染を予防する事は100%できないのですが、組み合わせることによって感染する確率を大きく引き下げることができます。そして本書で書かれていた感染対策の基本として大事なのは、よく眠りそして栄養のある食事をバランス良く摂ること。そうすると免疫システムの状態が整って感染対策となるそうです。

こういった地道な対策を併用することで、少しずつ新型コロナウィルスの収束に近づいていくのだとか。

科学の論文にも間違いは多い?

そもそも現在に至るまで科学は、膨大な研究論文とその間違いの指摘を通して積み上げられたもの。科学の研究に間違いはつきものであり、意図的でなければ決して悪いことではない。しかし、その正しいか間違っているかは同じ分野の研究者でなければまず指摘できないので、素人が読み解くのはとても無理。

論文を一般人が読み解いて判断するのはまず不可能で、自分で最低限の勉強はすべきだそうですが、それよりも、これぞと思う専門家を複数押さえて、それぞれの意見、解説を読み比べて自分なりの判断を下すことが重要なんだそうです。

断言する専門家はちょっと怖い

いろいろなメディアで、専門家を名乗るいろいろな人が、
「これはこういうことだ」
と言う説明をしています。
「これが結論だ!」
と言われると、自信満々だし、そうかな?と思ってしまいます。
しかし、不正確な情報、デマや嘘を堂々と断言する自称専門家は世間に溢れて、メディアや書籍出版などでも山のようにそういう人が出てきたそうです
。専門家は専門家たらしめる条件は、知識はもちろんですが、何より考え方、物事の受け止め方にあるんじゃないか、と本書では書かれてました。

物理学とか数学だったら、これで決まりと言えることもあっても、医学というか、生物、生命、自然現象などを扱う科学って、複雑なシステムを相手にしていることもあって、何らかの1つの値には定まらないことが多く、きれいに証明するのは難しい…。

対象に多様性があり、ばらつきが生じるのは普通のことだから。明確な理屈、回答がいいにくいのが普通で、ばしっと断言されるとかえって何かおかしいと感じるべきなんだそうです。

答えを急いで求めるのが危険な理由

新型コロナに代表される感染症の問題は、社会経済への影響も大きく単純な解決策はありません。
なので、その問題の解決策を焦ることが最も良くないそうです。感染症は簡単に解決しないし、答えもすぐに出ない。人の分断を煽るような言説にホイホイと乗らず、淡々と基本的な対策を積み上げること。
早く答えが欲しい、これがトンデモ理論や、間違った考えに染まってしまう原因なので、答えを急いで求めないこと、というのが大切だと書かれていました。

最後に

本書を読んでよかったことが、
「良く分からないことに対しての向き合い方」
を意識することができたことです。
自信満々に断言する自称専門家とかに対して、疑う気持ちを常に持つこと、物事を単純に見すぎないこと、最先端の研究や、最新の論文は間違っていることも多く、エビデンスとなるためには沢山の検証を行う時間や人が必要なこと。

まだまだコロナ渦は続きそうですが、そういったことを意識しながら、情報を得ていきたいと思いました。










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