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【読書感想】依存症ビジネス 僕らはそれに抵抗できない を読みました

こんにちは、じゅくしんです!
今日の読書感想は、

依存症ビジネス 僕らはそれに抵抗できない 

です!

最近資格試験の勉強していてつくづく感じたことがあります。
それは私がスマートフォンに驚くほどに依存していると言うことです。
何故かといいますと、少し勉強しようとしても、スマホに通知が来るとすぐに触ってしまいますし、勉強を終えたり、朝起きた瞬間に、すぐにスマホを確認したりSNSを確認したりして、何か通知が来てないか確認してしまうからです。
あまり今まで意識していなかったのですが、思った以上に自分は依存症の傾向があることを実感しています。そんな時に、この本を本屋でちょうど見つけまして、手に取りました。

この本には依存症について詳しく書かれているのですが、私たちは簡単に依存症になってしまうと言うことを常に意識しながら生活していく、そして依存症にならないように予防していくと言うことがどれだけ重要かということを認識することができました。


依存症についての誤解


依存症と言うものを非常に狭い意味で理解していて、依存症は特殊な人間だけが抱える症状ではなく、主に環境と状況によって簡単に引き起こされるものだそうです。たった一つの製品、たった一回の経験をきっかけに、誰もが依存症に転落する可能性があります。

行動嗜癖とは?


何らかの悪癖を常習的に行う行為を「行動嗜癖」といいます。これは昔から存在していたそうですが、ここ数十年で昔よりずっと広がって、より抵抗しづらくなり、マイナーではなく極めてメジャーな現象になりました。昨今の依存症は物質の摂取を伴わない、というのが面白いところで、スマホやSNSやネトゲやポルノなど、体内に化学物質を取り込むわけではないのに、薬物と同じ効果をもたらすのが非常に恐ろしいところです。


行動嗜癖になりやすい要素とは?


・ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
・予測できないランダムな頻度で報われる感覚があること
・段階的に進歩、向上していく感覚があること
・徐々に難易度を増していくタスクがあること
・解消したいが解消されていない緊張感があること
・強い社会的な結びつきがあること


行動嗜癖が起こるにはこうした要素が必ず1つを備わっているそうです。
つまり、こういう要素が含まれるものを見つけたときは、ちょっと頭の中で警戒していくのが必要なのかもしれませんね。

依存したものは既に好きではなくっている?


本書を読んでいて1番面白く感じた部分なのですが、
好きであることと、欲しいことは別物であるという部分です。
私たちは好きなだけでは依存症にはなりません。
依存症というのは、薬物が好きなのではなく、たまらなく薬物を欲しがる人のことを言うわけで、渇望は好感とは比べものにならないほど抑圧しにくいそうです。

「人間は意思決定するときに、好きかどうかということよりも、欲しいという思いを優先させる」

欲する気持ちの方が強く、大きい。好きだという気持ちは微小で脆く、別の対象に興味が簡単にうつるし、脳の極めて小さな領域しか占めていないそうです。それとは対照的に、欲しいという強烈な気持ちは、脳のより大きな領域を占めていて、遮るのは困難な感情なのだそうです。

だから、依存症の人は、依存対象のものについて、既に好きではなくなっていて、もはや嫌悪感すらあるのに、依存対象から離れられない状況になっていたりするそうです。うーん、嫌いなものから離れられないってまさに地獄です…。

ツァイガルニク効果とは?


何かの課題や作業に取り組み始めた人は、それを完了したい!終わらせたい!と言う欲求が生じます。その欲求や緊張状態は課題や作業を完了すれば解消して、課題が未完了だと緊張状態が維持され、欲求もそのまま残ってしまいます。
人間は完了した体験よりも、完了していない体験のほうに強く心奪われる。
これはツァイガルニク効果と呼ばれる現象なんだそうです。

例えばテレビドラマで納得いかない尻切れトンボな結末だったりすると、このツァイガルニク効果によって、いつまでもファンに結末を語られたりするわけです。エヴァとかそうですよね。

私たちは、欲求を感じた時のステップとして、

①何かを欲しいと思う
②自分の欲求が満たされるだろうかと考える
③欲求が満たされる


という順序を踏むわけですけど、普通に考えたら、ステップ3の時に1番幸福感を感じると思っちゃうんですが、違うそうです。
私たちは、予測が立たないことに心を掴まれてしまう。ランダムな報酬に対して、より脳が示す反応が大きくなり、ずっと変わらず喜びを示し続けるのだとか。
「来るかな、来るかな」とドキドキする時の快楽が、私たちを虜にします

ギャンブルとかでも、スロットマシーンが回転している時が1番興奮していて、実際結果が当たりだったりハズレだったとしても、それほど関係なかったりするし、ドラマとかでも、最終回前が1番盛り上がったりしますもんね。

本書を読んで感じたこと


Netflixが自動再生機能とか、InstagramやFacebookのイイネと言うフィードバックであるとか、そういった依存症を誘発するようなものが、現代の私たちの生活には溢れているということが、本書を読んでわかりました。
ただ、だからと言って、スマホを捨てて生活することはできないし、SNSを全て辞めるというのも現実的ではないように思います。あらゆる依存症ビジネスが行動嗜癖を煽ってくるわけですけども、それ以上に沢山のメリットも得られているからです。依存症になりやすい仕組みというのを理解して、こういったテクノロジーと上手く距離を取りながら、誘惑に惑わされないようにしたいですね。




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