英文法授業レシピ No. 0 Grammaring
英語学習において英文法の学習は切っても切れない存在。多くの高校生も英文法の重要性は認識するものの、暗記や4択問題を解くことに終始して、なかなか苦手意識を払拭しきれない様子。
わたしの英文法指導の根幹はLarsen-Freeman氏が提唱するGrammaringにあります。
その中でも文法はFORM(形式)、MEANING(意味)、USE(機能)の3要素があり、過不足なく教える必要がある、という視点が大好きです。
USEがいまいちわかりにくい概念かもしれませんが、直説法のifと仮定法のifとの比較(=ifだけ見れば同じ形式)は、日本語にするとどちらも「もし~」(=同じ意味)でも、使用場面が全く異なります。このように【場面】と解釈してもいいものだと思います。
しかしながら、3要素を均等に教えることは必ずしも必要ない、と彼女は述べています。
彼女は、「学習者が難しいと感じる部分は、文法項目によって異なるから、適切なところを適切な方法でやろうね」と述べています。
例えば一昔前の受動態の教え方は、能動態の目的語を主語にして、be動詞と過去分詞を付けて、byの後ろに元々の主語を持ってくるという【たすき掛け】の指導が主流でした。(今も?)
これはFormは教えているもののUseは全部無視しています。いつ受動態を使用するべきなのか、といった視点は養えません。
もちろん、導入の最初の一時間でその文法の全てを紹介し生徒に習得させることは不可能です。
何度かに分けて、そして数年をかけて【使える】状態にするべきです。
ここでの【使える】とは4択や並べ替えなどの文法問題を解けることではありません。
英作文やスピーチなど、自分の意思で取捨選択して、あえてその文法を使う、という状態です。
果てしなく長い道のりに見えますし、実際に多くの生徒は道半ばにして挫折というか諦めたりもします。
諦めたとしても多くの大学入試は突破できます。
そして大学や社会でも、今となっては自動翻訳も駆使すればかなりの精度の英文作成が可能です。
ちなみに、【あえて使う】と表記したのは、その先の段階があるからです。それは意識せずとも(=自然と)使える段階です。
ですがこの段階を全ての学習者が目指す必要もないかと思いますし、意識の有無は測りきれないとも思います。
自由英作文や即興スピーチなどは意識しない使用の可能性が高いですが、絶対ではありません。
また意識の有無に関わらず、適切に使用できることは学習のゴールとして決して不適切ではないからです。
さて、一発目からなにやら抽象的な物言いが多くなってしまいました笑
具体例を何個かやってから書けばよかったかもしれません…
ということで、『英文法授業レシピ』と仰々しい名前をつけてしまいましたが、このような考えに基づいています。
「こんな教え方もありですよね?長ーい目で見ていきましょうよ」くらいの感じで書いていきます。
ここまで読んでくださり、そういう視点での英文法指導に興味のある方は、今後具体例を書いていきますのでよろしければお付き合いください。
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