クリスマスカラス #毎週ショートショートnote
烏は嫌われるけれど、よく見てごらん。太陽を返した翅が虹色に光ってとても綺麗なんだ。だから私は烏さんをクリスマスパーティーに招待することにした。村の公民館。子供達がプレゼントを持って集まった。そこに烏さんも袋を持って登場。幸い彼は雑食性で用意した御馳走を何でも食べてくれるので助かった。
パーティーの最後に皆で輪になり、きよしこの夜を歌いながらプレゼントを回す。歌が終わった。めいめい袋を開け喜びを伝え合う。そんな中、
「なにこれ…ガラクタばかりじゃん」
袋を逆さまにすると瓶のキャップ、プルトップ等のゴミが散らばった。
「ごめんなさい。それ、僕のです」
烏さんが申し訳なさそうに首を垂れた。
「プレゼントって、これしか思いつかなくて」
場が静まり返った。私はすかさず
「烏さん!代わりに歌をうたってよ!」
か~らあす~ なぜなくの~ からすのかってでしょ カーカー♪
やっぱりそう来るか。クリスマスキャロル、ならぬ烏さんのクリスマスカラスだねえ、と皆で笑った。
(420文字)
たらはかに(田原にか)様の企画に参加させていただきました。