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短歌で光る君へを10倍楽しもう!感想

NHK短歌特番(6月30日放送)。もちろん見ました! 俵万智さん&渡辺祐真さんの感想がすごい面白いんですよ。

滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ
藤原公任

渡辺さん「藤原公任は祖父も父も有力政治家であったが早めに引退し、彼は政治的にはあまり成功できなかった。しかし今なお、文化人としてはこうして名前が轟いている。そんな公任に重ねて読みたくなる歌です」

俵さん「実態がなくなっているのに名前だけ轟いているっていうのは、いいことなの? って思ってしまう。かつては轟かせてた実力があっても、歌人だったらいい歌人として評価されていても、名前だけ轟いてて、今どうなん? って思ってしまう。そういう歌にも読めるなあって」

私いじわるかもしれないけど、とも俵さん仰ってましたがいえいえ、いじわるじゃないですよー。こうやってキッパリ話されるのすごく面白いし、聞きごたえがあります。例えちょっぴり厳しくきこえたとしても、ガチの本音にまさる感想はありません。

もしかして、過去に大きな新人賞を獲って注目されたけど最近ぜんぜん作品をみてないなあ、という方に対してのハッパだったりして、なんて思いました。(ただの私の妄想ですよ;)

その後、まひろと道長の文のやり取りのシーンが流れます。道長の和歌へのまひろの返事が漢詩である点について。

渡辺さん「二人のなかで見ているものが違う気がします。まひろは道長に、国の政治をこうしてほしいと願っているけれど、道長はまひろに対する思いがあふれてあふれてどんどん大きくなっている。それが、二人が和歌と漢詩を選んだ理由かも」

俵さん「まひろとしては、もし和歌で返したら道長への想いがだだ洩れちゃうんじゃないかと不安があって、やっぱり和歌は想いを乗せるものだから。だだ洩れないようにせき止めているんじゃないかと。だから鎧のように漢詩を選んだのでは」

詩の解釈に正解はないとはわかりつつも、俵さんやはり、女心、女性の詠み手の心情をわかっていらっしゃる。私も放送みてこれだと思いましたもん。漢詩は「心の鎧」だと。賢すぎる女あるあるですよ。でも結局、せき止められず、逢ってしまうんですけどね。

いま必死で文字起こしして書いてます。抜けてる、略してる文字あると思います、すみません。見逃し配信見れる方はNHKプラスで明日朝6:25までなので、ぜひ全体(25分)をご覧ください。

そうそう、今日は7月6日のサラダ記念日ですね。こんな特番をつくるってことは、この先、もしかして俵万智さんの出演(和歌を指導する女房役とか?)があるんじゃないかなって私、思ってます。