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文学賞は題が大事という話

えっと、シャレではないですよ。今月末締切の北日本文学賞。最終選考の選者は、作家の宮本輝氏です。最終選考に残れば、自作を宮本氏に読んでいただけるということで人気のこの賞、毎年1000編を超える応募があるとか。私も氏の小説が好きです。「春の夢」は無人島に持っていく本ブッチギリの第1位です。

宮本氏がどういう選評をされているのか気になり、過去受賞作をあさっていたところ、こんなフレーズに出会いました。詳細は以下をどうぞ。

「ピカドンと天使と曼殊沙華」を受賞作にしようか一瞬迷ったが、この題はあまりにおそまつで五十点減点した。それほどに題が悪い。

第53回(2019年)選評 宮本輝


ええー! 題名で50点減点するんですか!?


文学賞の選考会で題がまずいと言われているのはたまに見ますが、ここまで厳しいのは見たことない…。実際は減点の50点の内訳には他にも理由があるかもしれませんが、驚きました。氏は若い頃、コピーライターをされていたので、言葉の構築に対する要求がそれほど高いということなのでしょう。編集者にもファンの多い宮本氏。この選評を読んだ人は多いでしょうから、

「宮本さんがこう言ってる…じゃあ、題が悪いのはガツンと減点な!」

とする、他の文学賞の選考者がたくさんいるかもしれませんね。

大事な応募作品。締め切り間際になってから、題を適当に決める人はあまりいないと思いますが(神の啓示のように閃けばよいのですが)、題はかなり大事だよー、題で運命決まっちゃうこともあるんだよーという話が読めて良かった。

振り返ってみるに、自分の付ける題は圧倒的に名詞が多い。
餞別」「」「ど根性大根」とか。

これはたぶん、私がめんどくさがりだから。
めんどくさいシンプルなのがいいねん!って思ってるところがある(笑)。
私は置いといて、なんとなく短歌や俳句・詩をする人は、言葉の圧縮に慣れている分、題の付け方も巧い気がします。

北日本文学賞は原稿用紙30枚分と短いので、筆の速い人なら今から書き始めても十分間に合います。同じ選評内から、宮本氏のフレーズ。

書き慣れたうまい作品が必ずしも、心に響くわけではない。

うー、嬉しい😂 なんか、勝手に希望が湧いてきましたよ。

私は出す予定はないですが(私には30枚でも多い💦)、この賞の嬉しいところは一次選考から氏名を公表してくれるところ。一次通ったかだけでも、なんか目安になりますよね。昔所属していた短歌結社の先輩のお名前を発見したこともありました。

有名な賞ですが、いま読んで初めて知ったという方、おうち時間が余ってる方、われこそは! と思われた方、いかがでしょうか😊


※表題画像は北日本新聞社(この賞の主催社)の地元そして、宮本輝氏が幼い頃に過ごされた富山県の立山連峰です。



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