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変形性膝関節症~つらい膝の痛み~

座った状態から立ち上がる時、歩き始めた時、膝に痛みを感じたことはありませんか?高齢者人口の増加とともに膝に痛みがでる、変形性膝関節症は増加している状況です。理学療法士の学生として学んだことをまとめていきます。

変形性膝関節症とは?

関節軟骨の変性を基盤とした非炎症性の疾患。

**分類 **

一次性:誘因もなく膝の痛みや運動障害、膝に水が溜まるなどの症状を訴え、明らかな原因が認められない場合。
二次性:代謝性疾患、外傷、先天異常など明確な原因があるもの。

高齢者の方が膝の痛みや運動障害、膝に水がたまるなどの症状を訴え、原因が不明な場合、一次性に分類されるます。

症候

・大部分の症例は、内側大腿脛骨関節面が侵される内側型。疼痛も膝関節の内側に存在する。
・膝蓋骨周囲にも疼痛を訴えたり、膝窩部の緊張感を訴えたりすることもある。

**病期 **

初期 膝関節のこわばる感じや立ち上がり時・歩き始めの疼痛(starting pain)を訴えることが多い。関節可動域はわずかに伸展と正座が制限される程度。進行すると 歩行時や階段昇降時などにも持続的な疼痛が生じてくる。
・圧痛:内側関節裂隙、大腿骨内側顆関節面辺縁
・関節包は肥厚し、しばしば関節液の貯留を認め、膝蓋跳動を証明できる。

**分類 **

Kellgren-Lawrence分類
Grade0 正常
GradeⅠ 骨硬化あるいは骨棘を認めるが、関節裂隙の狭小化はない
GradeⅡ 関節裂隙の狭小化はあるが、1/2以上残存しているもの
GradeⅢ 関節裂隙が1/2以下のもの
GradeⅣ 関節裂隙が消失したもの

治療

・保存療法
診療では、手術療法<保存療法がおこなうことが多い。
保存療法は主に薬物療法と、非薬物療法を組み合わせての治療になる。
生活指導:激しい動作や正座を避け、疼痛が強い場合は杖を使用
     肥満の方には適切な減量を薦める
運動療法:無理のない関節可動域運動、下肢筋力強化運動
     (軽い有酸素運動、エルゴメーター、プール歩行)

筋力強化では、特に大腿四頭筋、股関節外転筋群の強化は膝を安定化し、症状改善につながるといわれています。

自宅でできるトレーニングをまとめている記事を見つけたので貼っておきます


装具療法:内側型変形性膝関節症に対しては外側の高い楔状足足底板が用いられる。歩容の改善が疼痛改善にもつながる。

薬物療法
・ヒアルロン酸製剤:効果が出るまでに時間がかかる、長期的な効果がある
・副腎皮質ステロイド:強力な消炎鎮痛作用、長期や頻回投与で関節破壊を起こす可能性がある。

・手術療法
保存療法での改善が見られず、関節破壊が見られる場合、手術適応となる。
若い方:骨切り術(HTO)
高齢者(60~70代):人工膝関節置換術(UKA,TKA)

参考
標準整形外科学 第13版


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