#真相 ~ 推論だから見える本当のこと

5月18日(月)、検察庁法改正案の今国会の採決が見送られた。
一体、どうしたんだろう。
維新が加わり、政権与党の数を考えれば、衆議院で2/3以上の賛成を得て、無風で通過する法案だったはずだ。
公共放送の政治部記者のニュース解説によれば『検察OBの反対意見書により潮目が変わり、先週からのSNSの反響も無視できなかった』という。

最近、マスコミ報道の信憑性が疑わしいという論調を耳にすることがある。私はこの解説がもっともらしい、そして誰も傷つけないfakeの様に思えた。

15日金曜日、内閣委員会は多少紛糾したものの週明けの委員会審議では採決が行われ、様々な不満をはらみながら「多数の暴力」によって決するいつもの流れになっていた。少なくとも私はそう思っていた。
何せネットには『#検察庁法改正案の強行採決に反対します』という新しいハッシュタグが踊り、例によって何事もなかったかのように法案が通ることを予定調和のように予測していたサヨクの論客は多かったはずだ。今日一日が終了して、自民党二階氏のカメラの前で法案を見送る旨のインタビューが終了したあとのP社のネットコラムでは、与党が見送るか強行するか揺れているはずだ的な記事が17時台にリリースされていた。こんな時代にどうしたことか。合戦が決したことをほぼ99%の国民が知っているのに「揺れている(ゲーム中)」との報道さえストップしない。「動揺」の余韻が止まらない。
それほど、今日の見送りは『急転直下の「意外」-第2号』だったのである。第1号は言うまでもあるまい。

事態が動いたのは実は今日の明け方だった。金曜の段階で余裕の与党執行部は、既に可決の既定路線であることは疑いもしなかったが、週末の世論調査の結果だけは確認しようと思っていたのだ。早朝アンケートの非公式の速報が各社から続々と入って来る。内閣支持率は概ね「支持」が30%前半で、「不支持」が40%台後半、どの社の数字も変らない。検察庁法改正への反対は62%よりは高く、賛成は17%よりも低かった。
安倍さんの背中には戦慄が走っただろう。
読売新聞は午前7時には「検察官の定年延長、法改正案の今国会成立見送り検討」というスクープをインターネット上に流し、その他の報道機関も9時20分頃には確定情報を得てテレビには『見送り』のテロップが流れ始める。

誰が小早川秀秋だったのか。まあ明らかではあるが敢えて言及は避けよう。みんな解っていることだ。内閣支持率もさることながら、驚いたのは賛否の数字だろう。先週まで、SNSのリツィートはヤラセだとネトウヨ達が騒いでいたが、やらせではなかった。そもそも法案の中身も解らず反対した芸能人が多いからとか彼らはずっと言っているわけだが、政治とはそういうもの。現総理大臣の実力を過大評価して権限を増大させ、長期に渡って誤って政権を預け、covid19への無能な対応ぶりに漸く有権者が目を覚ましたわけだ。
もし、多くの国民がこの期間自宅にいなかったら、普通に外出をして仕事やレジャーに興じていたら、泥船は知らぬ間に溶けながら海底の地獄に向かう潜水艇になっていただろう。我々は泥船だとやっと気づいた。
あとは秋の臨時国会に向けて少しずつ、木の箱舟を作っていくだけだ。










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