非機能性ウイルス原因説

AKIRAです。
以前の記事の続きになります。


機能性ウイルスと非機能性ウイルスの違い

こちらの記事で、私は非機能性ウイルスのコロナ後遺症への関与の可能性について述べました。
この時、皆さんにイメージをしてもらうためにアレルギー反応(花粉症でもいいです)を引き合いに出して軽く説明をしましたが、あまり詳細には語らなかったため、改めて書いておきます。

初めに、機能性ウイルスと非機能性ウイルスの違いについて述べておきたいのですが、以前の記事に引用させていただいた図では、非機能性ウイルスは「未成熟もしくは空の粒子」と書いてあると思います。
ここで、以前に私が書いた記事、「とある研究アシスタントの生物学③」で書いた以下の部分、

先述の通り、ウイルスは感染すると自分の遺伝子情報を感染した細胞の中に埋め込みます。この時のウイルスをウイルスになる前の状態、という意味でプロウイルスと呼びます。

この時のウイルスは、自分の体を作ることを考えてません。
むしろ、細胞に潜伏することで細胞増殖に伴って自分の遺伝子もついでに増やしてもらおうと寄生します
だから、感染時と実際にウイルスの体が作られて免疫による反応が起こるまでにはタイムラグがあるのです。

こちらをご覧いただくと、ウイルスが細胞に寄生する最大の理由は、自分の体を作るための遺伝子を細胞に埋め込んで増やしてもらうためです。
つまり、非機能性ウイルスはこの能力がないために感染性を失っている状態です。だから、非機能性ウイルスは機能性ウイルスとは異なり、感染力のないウイルス粒子であることはご理解いただけると思います。

しかし、感染力以外の条件は同じ

ただ、逆を言えば、それ以外の条件は両者で変わらないことになります。
具体的に言うと、非機能性ウイルスも機能性ウイルスもウイルス由来のタンパクを保持している点は同じです。

そう、人間が持たないタンパクの塊が、鼻やのどへと侵入してくるわけです。
…なにか似たような話を聞いたことありませんか?
そうです、花粉症です。

花粉症は、花粉「細胞」が鼻の粘膜に付着したことをきっかけに、免疫が過剰に反応して暴走してしまい、すさまじい炎症反応を引き起こす病態です。
ご存じの通り、花粉は人間の細胞内に侵入できません。これらの条件は、非機能性ウイルス粒子と同じ条件を満たします。
つまり、ウイルス粒子と細胞外の組織との接触をきっかけにアレルギーに似た劇症反応を繰り返しているのではないかということを考えたわけです。
これで説明がつくのは「嗅覚味覚障害」。
感覚器の役割を果たす組織(あるいは細胞)への非機能性ウイルス粒子の接触によって誘導される炎症性の免疫機構の暴走が、味覚や嗅覚の消失につながっているのではないか?

そう考えると説明がつくものもある

例えばブレインフォグ、脱力感や倦怠感。
これらはウイルスに暴露した神経組織への障害とも取れます。

しかし、ブレインフォグについて言えば、発熱時のボーっとする感覚や低血糖などで頭が回らない感覚など類似する症状がほかにもあるため確かなことが言えません。
一方、ギランバレー症候群のような末梢神経系の障害については、ヘルペスウイルスの後遺症の例とよく似たことが起きるのではないか。ヘルペスのように特定の組織に潜伏する形のウイルスが抗原認定され、それを攻撃するための免疫が神経などの組織を傷つけてしまう……同じことが非機能性ウイルスにも言えます。

すなわち、神経近傍の組織にウイルスのゲノムが入っている細胞があれば、そこから生成されたウイルス粒子をターゲットに集積した免疫細胞の炎症が神経にまで波及する可能性も否めない、ということです。

話は逸れますが、スパイクタンパク単体でもこのことは言えます。
いくつかの論文でもスパイクタンパクそのものの有害性は指摘されていましたが、スパイクそのものを標的とするなら、そのスパイクを過剰に合成する組織だって攻撃の対象です。だから、mRNAワクチンが神経細胞に導入された場合、その神経細胞は大量にスパイクを合成しますし、炎症の火種になりえます
これがコロナ後遺症の原因である可能性は否定できません。
あるいは、mRNAワクチンの免疫抑制により、ウイルスのゲノムが排除できず、非機能性ウイルス粒子を合成する神経細胞が免疫を引き付ける…なんていうストーリーも考えられます。

話を戻します。
ウイルスに対する暴露(当然、機能性/非機能性の区別無しで)の頻度が上がれば、それに比例して免疫を誘導する効果も増加します。これが続けば症状が継続するでしょう。
これで継続的に起こる症状についても説明できます。

そして、シェディンクについても同様。
ワクチン由来のスパイクを吐き出していると考えるより現実的で、そのスパイクをくっつけたウイルスの粒子が感染力を持っていないだけの話です。

以上のことから、非機能性ウイルス粒子による炎症誘発効果でコロナ後遺症やシェディングの原因の一端は説明がつきます。

一般の方はここまで

さて、ちょっと難しい話をしてきましたが、一般の方向けの内容はここまでです。お読みいただきありがとうございました。
ここからは、専門向けです。

in vitroでも再現可能か?

 神経初代培養
→ウイルスの構造遺伝子をtransfection
→遺伝子導入された神経細胞からウイルス粒子を検出
→一方で、細胞内炎症誘発因子(IL-1bやTNF-αなど)の遺伝子発現量解析(qRT-PCRでいいと思う)
→神経細胞の形態変化や、未成熟のリンパ球との共培養を検討してもいいかもしれない

これである程度の評価はできるのではないでしょうか。力価測定を検討することはそこまで躊躇するようなことでもないので、さっさと評価してしまえばいいんですけど、やりたくないのかな?
炎症シグナルの評価もわざわざややこしいアッセイなんてしなくても、qPCRとかでバルクで発現量解析をやってしまえばすぐわかりそうなものですが。

もしかして免疫原性が高いか?

まさかと思いますが、コロナウイルスって免疫原性が高いとかないですよね?アデノウイルスベクターみたいに。

そうなると培養過程で細胞がボロボロになる可能性があるのでin vitroでの評価は難しいかもですね…。
どうなんだろう…?
どなたかご存じの方、いらっしゃいましたら教えてください。

以上です。


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