海外の最新の科学者は正しくて、江戸時代の日本人は間違ってる?

自己認識能力とかレジリエンスとかACTセラピーとか、最新のことのように思われるかもしれませんし、海外からの科学的なもののように思う方も多いのかもしれませんが決して新しくもないのです。

これは、江戸時代の観相の大家「*水野南北」の修身録からです。
「人の相をみるときは、初めにその人の立ち居振るまいから全体像をとらえます。その後に気力の強弱、忠孝の精神の有無、陰徳の志の有無、心の安定具合をみます。次に、その人の行動が順調かどうか、知識、情報、言動を観察します。このようにみた後に、骨格、血色、流年の状態によって善悪を
判断します。」

ただの江戸時代の占い師のことだと思うと怪しく聞こえますが、これって最新の心理学や自己認識能力などの本に書いてあることです。

海外からの最新の科学理論は正しく思えて、日本人の江戸時代の占い師の理論は怪しく思えるのは、あなたの認知にバイアスがかかっているかもしれません。

その時点で、現状認識を誤って正しい行動をとる確率が下がってしまいます。

さて、この江戸時代の占い師のストーリーは自己認識能力が身についた事によって劇的に人生が好転した事例として私は長く研究をしておりました。

自己認識能力とは、自分自身を内外から見つめて正しく理解できる能力のことです。この能力を先天的に早い段階で身に付いている人もいますが、後天的に劇的に伸ばすことができる能力である点が「誰でも運がいい人になれるチャンスがある」と私が着目した点です。

ここで水野南北がなぜ?水野南北になったのかを文献からまとめたものをご紹介いたします。

宝暦十年(西暦1760年)浪速の阿波座(現在の大阪市西区阿波座)において、鍵や鍛治を業とする水野姓の家に生まれ、その後、両親が相次いで他界。明和三年(西暦1766年)には伯母に引き取られ、孤児にありがちな放蕩無頼への道をすすむ。日頃の無情感がたたり、酒色に溺れ、日々不良への道に拍車がかかる。その後、二十歳に手に届く頃、安永七年(西暦1778年)には、酒代欲しさに刃傷沙汰を起こし逮捕され天満に入牢。一年後に出牢時に、たまたま通りかかった天満橋の上で易をみていた易者に「このままでは早死にする」と人相の悪さを指摘され命欲しさに禅寺の門をたたき、麦と大豆のみを食すということを一年間実行するに至って、再会した易者を驚かせた”人相の変化”に自らも驚き、人相と食の不思議さを知りライフワークとするキッカケになった。
その後、「髪結い三年、湯屋の三助を三年、そして焼き場の隠亡を三年」と言われる実地見聞を実践し安永九年には全国行脚の修行の旅に出る。
その後、京都に居を構えて本格的に観相家としての一歩を踏み出す。
そして43歳の頃には自説の正しさが認められ門人も増え、師でもある禅僧の追善菩提のために出版物の印税の一部を、寄付する。
その名はさらに高まり全国に広まり、天下の相法家として謳われるまでになった。
そして天保五年(西暦1834年)齢75歳をもって死去。
放蕩無頼の徒より一念発起し、晴れて令和の世にも名が残る天下の水野南北となって生まれ育った大阪で大勢の門人に慕われたまま眠りについた。
現代では、門人たちが水野南北が信仰していた不動尊を南北生写しに彫り上げ、墓碑の代わりに安置され尼崎市武庫之荘の法輪寺に出世不動として香華が絶えないそうです。

長くなりましたが、水野南北は易者に自身の印象のフィードバックを受け、気付き、そして自身の人相が変わるまでの行動変容をし、自己認識能力を身に付ける修行の旅をして自らを見つめ続けて大出世を果たしたのです。

このことからも自己認識能力を身に付けて伸ばし続けることで誰でも運がいいい人になる参考事例になると思います。

さて水野南北に習うとしたら中国のこんな言葉が思い出されます。
「変化の風が吹き荒れるとき、ある者は壁を築き、ある者は風車を作る」
自己認識能力が身に付いていない人は、ある出来事があると自己防衛するが、自己認識能力が身に付いている人は生じる出来事を追い風にして内外の自己理解に活かそうとする。

人生のライフイベントに誰でも必ず起こる「自分にとって重要な真実に目を開かせてくれる出来事」を活かせるかどうかは人生の行き先が変わります。
そんなパターンの代表例が3つあります。

パターン1「新しい役割/ルール」
仕事や人生で新しい役割を求められたり、ルール変更があったりすると誰しもが慣れ親しんだ環境の変化に戸惑いますが、自己認識能力が身に付いた人は、そのような機会を学びの機会として活かしていきます。

パターン2「激震」
リストラや病気や死、離婚や大きな失敗など、人生上の大きなインパクトとなる激震は誰しも経験する可能性があります。その激震すらも内外から自分自身を正しく理解する機会として活かす人とそうでない人では結果は変わっていくでしょう。

パターン3「日々の気付き」
特別なことだけではなく、日々の生活の中でも気づきを与えてくれる出来事はあります。刻々と変わる雲の形すらも人によっては気づくきっかけとなります。

これらの出来事に対して、素直な心で自己を内外から見つめ直せば、誰でも運がいい人になるチャンスがあります。

今日はこれまでとします。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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